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洗剤・溶解・剥離

2017.04.27

フラックス洗浄について①

フラックス洗浄について①

 

電子部品を実装する場合、フラックスという「はんだ付けの促進剤」を使い、使った後は洗浄を行いますが、部品によっては表示、被覆材、本体への悪影響を及ぼす場合があります。
今回はアルミ電解コンデンサへのフラックスの影響と、洗浄剤について紹介します。

 

アルミ電解コンデンサについて

アルミ電解コンデンサのフラックスのイラスト

コンデンサとは、蓄電器のことで、電子機器の電子回路や電源回路に使われるものです。
色や大きさはまちまちですが、右の図の、円柱状の電池のような形をしているものがそれです。

中でも、アルミ電解コンデンサとは、アルミニウムを利用してできている蓄電池で、アルミニウム以外の電解コンデンサもありますが、基本的に「電解コンデンサ」と言えばこのアルミ電解コンデンサのことを言うことが多く、他の電解コンデンサよりも大容量であるということでよく使われています。

 

洗浄時の注意

アルミ電解コンデンサは、使用している電解液、封口の材料によって程度はありますが、ハロゲンイオン(特に塩素、臭素イオンなど)に弱いので注意が必要です。
ハロゲン化合物を含んでいるフラックスや洗浄剤、固定材、コーティング剤、燻蒸剤を使用してしまうと、コンデンサの封口部分を通して腐食する危険性があります。

フラックスの影響

フラックスにはよく活性剤としてイオン性のハロゲンを配合しています
しかし先にも書いたように、ハロゲンイオンはコンデンサを腐食させてしまいます。
そのため、最近は「ノンハロゲン」や「ハロゲンフリー」を謳うフラックスも出てきています。

しかし、こういった製品の中には、「非イオン性」のハロゲン化合物活性剤を配合しているものもあり、注意が必要です。
非イオン性でもハロゲン化合物はコンデンサに悪影響を与える可能性があります。

つまり、「ノンハロゲン」=「ハロゲンを使っていない」というわけではないので、事前のチェックがとても大事になります。

工場内でチェック作業をする男性のイメージ

 

洗浄剤について

洗浄時はアルコール系の洗浄剤を使うのが一般的です。(※洗浄剤を購入する前に、部品のメーカーに確認することをオススメします)
純度の高い高級アルコール(水分が混ざっていると腐食しやすくなる)やIPA(イソプロピルアルコール)などを使うケースが多く、温度は60℃以下で、10分以内の浸漬や、超音波洗浄をして洗います。
その他の溶剤の洗浄剤もありますが、ハロゲン系のように腐食する危険性があったりするものもあるので注意点をまとめました。

成分 注意点
ハロゲン系 電蝕による故障
アルカリ系 アルミケースの腐食、溶解
テルペン系・石油系 封口ゴムの劣化
キシレン 封口ゴムの劣化
アセトン 表示文字の消失

また、アルコールは水分を呼び込みやすいので使用後はすぐにしっかり乾燥させる必要があります。
アルコールが残っているとそこに空気中の水分が集まり、こちらも腐食の原因になります。
※通気性の良い所で速やかに乾燥させることでこれらの腐食は防ぐことができます。
※使用時は火気や静電気にくれぐれもお気をつけください。

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