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化学規制
2017.03.28
リスクアセスメントについて
目次
リスクアセスメントとは
事業場にある危険性、有害性、リスクなどを見積って、低減や優先度の設定などを行う一連の手法のことを言います。
労災を防止するために行うもので、厚生労働省が管理をしています。
今回は、有機溶剤と関わりの深い、化学物質のリスクアセスメントについてお話していきます。
化学物質のリスクアセスメントとは
有機溶剤のような化学物質を扱う上で、危険性や有害性は絶対に無視できないポイントです。
あらかじめ事業場で使用する化学物質によって起こりうるリスクを想定、把握し、場合によってはリスクを低減させなければなりません。
そのために講じる手段が、化学物質のリスクアセスメントです。
化学物質のリスクアセスメントでは、667種類もの化学物質が指定されており、それぞれの化学物質に対し、既定の濃度(%)を設定しています。
この濃度を超えるとリスクアセスメントに該当をし、該当した場合リスクの見積りを出さなければいけません。(2017年3月現在)
リスクアセスメントの手順
リスクアセスメントはどのように行うのでしょうか。その流れを見ていきます。
0.リスクアセスメントの実施時期
基本的に、計画的かつ定期的に行う必要があります。
設備・機械の経年劣化や、労働者の入れ替わりなども考慮して下さい。
また、新しい設備や原料、作業工程などを取り入れた際などリスクに変化が生じたときにも実施して下さい。
1.危険性または有害性の特定
事業場で使用されている化学物質をリストアップして、安全データシート(SDS)をもとに危険性・有害性を確認します。使い方や作業環境もしっかりチェックしてください。
※危険性・有害性の定義:労働者に対して負傷や疾病をもたらすものや状況のこと
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2.危険性または有害性ごとのリスクの見積り
SDSの内容や、作業環境をもとに、リスクの見積りを行います。
リスクの見積り方法① ~マトリクス編~
- 負傷や疾病の重さ
- そのリスクが起こりうる確率
をそれぞれ横軸と縦軸にあてはめ、上2つの度合いに応じたリスクレベルを割り振ります。(下図参照)
負傷や疾病の重さ | |||||
致命的 | 軽度 | ||||
リスクが起こりうる 確率 |
高確率 | 5 | 5 | 4 | 3 |
5 | 4 | 3 | 2 | ||
4 | 3 | 2 | 1 | ||
低確率 | 4 | 3 | 1 | 1 |
といった具合に見積ることができます。
リスクの見積り② ~得点制編~
①同様、負傷や疾病の重さとリスクが起こりうる確率を、今度は一定の尺度で得点化してその得点の高さ(=リスクの高さ)を見積ります。
例)
負傷や疾病の重さ | |||
致命的 | 軽度 | ||
30点 | 20点 | 7点 | 2点 |
リスクが起こりうる確率 | |||
高確率 | 低確率 | ||
20点 | 15点 | 7点 | 2点 |
二つの表から得点を選んで、合計した数字をもとに、見積ることができます。
3.リスク低減のための優先度の設定・措置内容の検討
見積りをしたリスクをもとに優先度を設定します。(リスクが高い=優先度が高い)
優先順位をつけて、リスクを低減するための措置を検討します。
優先度の設定 ~マトリックスを使った場合~
2.でマトリックスを使ってリスクの見積りをした場合、優先度の設定は下のようになります。
- リスクレベルが1なら、必要に応じて、よりリスクが低くなるよう措置をする
- リスクレベルが2や3なら、リスク低減措置を講じるまで作業停止をした方が良い
- リスクレベルが4や5なら、リスク低減措置を講じるまで作業停止し、直ちに改善する必要がある
優先度の設定 ~得点制を使った場合~
2.で得点制を使ってリスクの見積りをした場合、優先度の設定は下のようになります。
- 10点未満であれば、必要に応じて、よりリスクが低くなるよう措置をする
- 10~29点であれば、リスク低減措置を講じるまで作業停止をした方が良い
- 30点以上であれば、リスク低減措置を講じるまで作業停止し、直ちに改善する必要がある
4.リスク低減措置の実施
リスクの低減措置の主な具体例は下のようなものがあります。
- 計画段階で危険な作業は変更、廃止する
- 化学物質の代替化、廃止
- 保護具の使用
- 設備の変更
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