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化学用語解説
2022.10.03
【有機溶剤とサステナビリティ】バイオマスマークについて
【有機溶剤とサステナビリティ】シリーズ第3弾です。
今回はバイオマスマークについてお話します。
バイオマスマークとは
バイオマスマークは生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格などに適合している環境商品の目印です。
バイオマスマークを付けるには、上記の基準を満たしているかの審査があり、これは商品の申請時に提出する書類をもとに審査されます。審査では、商品の安全性、商品が表示しようとする機能、含まれるバイオマスの割合などが、申請内容と合っているかが確認されます。
申請される商品は様々な分野に及ぶため、審査には広く専門的な知識が必要となります。そのため、審査は第三者の複数の専門家からなる審査委員会で行っています。
バイオマスマークの成り立ち
2002年に政府が閣議決定した「バイオマス・ニッポン総合戦略」において、バイオマスの利用推進に向けた基本的な考え方が示され、バイオマスプラスチックの利用について具体的な目標が示されました。その後、農林水産省において、関連事業として「バイオマスプラスチックの開発・利用普及に関する調査」(2003年~2006年)が実施され、その成果がバイオマスマークの運用に繋がりました。
バイオマスマークは、このような背景からバイオマスの利用推進を目的として、(一社)日本有機資源協会の事業として2005年から試験運用を始め、2006年8月から本格的に運用されています。
バイオマス度とは
バイオマスマークの中の数字は「バイオマス度」を示しています。バイオマス度は、商品の乾燥重量に対して使用したバイオマスの乾燥重量の割合を示し、パーセント表しています。そのため、数字が大きいほど、よりバイオマス度の高い製品であると言えます。
バイオマス度は、生物由来の物質にしか含まれていない炭素14(C14)が、どのくらい含まれているかを測ることで調べられます。
自然界の炭素には、重さの違うものがあります。存在する割合の大きなものから、炭素12(C12)、炭素13(C13)、炭素14(C14)の3種類があり、特に炭素14には、大気中に常に一定の割合で存在し、決まった間隔で減っていき5730年で元の量の半分になるという性質(半減期)があります。
加速器質量分析装置(AMS)という装置で測定をすると、試料に含まれる炭素の種類と、それぞれの割合が分かります。
植物は成長のため、大気中の二酸化炭素を取り込むので、植物に含まれる炭素14も大気中と同じ割合になります。しかし、石油のような化石資源には炭素14が含まれていません。石油や石炭などは、大昔の生物が地中に埋まり、長い時間をかけて作られ、この間に炭素14が減り続けてなくなったものと考えられているからです。
バイオマスマークの認定製品を使う理由
バイオマスマークは、日用品、事務用品、プラスチック類、印刷インキ、洗剤、繊維製品、バイオ燃料など様々な製品に使用されています。
では、なぜバイオマスマークは存在するのでしょうか。
バイオマスマークの認定製品を使うと、以下のようなメリットがあります。
- バイオマスは、植物や動物などの再生可能な資源なので、持続的に使うことができる
- バイオマスを利用した後、最終的に燃やしても、発生する二酸化炭素は大気中に戻るだけなので、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が増加しない
- 化石資源の代わりに使うことにより、化石資源の節約につながる
このようなカーボンニュートラルの観点から、地球環境を守るためにバイオマスマークの認定製品を使用することがより良いとされています。
三協化学とバイオマスマーク
弊社では、地球温暖化防止のため、バイオマスマークの取得認定について進めています。その第一弾として、バイオマスマーク認定の剥離剤としては初の環境対応型塗材剥離剤「リペアソルブN」があります。従来の剥離剤よりも地球環境に優しく、工業用塗料・建築物塗材(リシン、タイル、スタッコ)の剥離にご使用いただけます。
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