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化学用語解説
2021.02.01
脱炭素について
脱炭素とは
「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出をゼロにすることをいいます。
地球は常に「温室効果ガス」で取り囲まれており、これにより地球は私たちが生活しやすいほどの熱を保つことができます。温室効果ガスが、太陽の光によって温められた地球を適度に保温してくれているのです。
適度な量であれば、温室効果ガスは私たちの生活になくてはならないものですが、近年温室効果ガスの量が増えたことで、この保温能力が高まりすぎてしまい、地球の気温が上がり、地球温暖化の原因として社会問題となってしまったのです。
何故温室効果ガスが増えたのか
温室効果ガスには、具体的に、二酸化炭素やメタン、一酸化窒素などがありますが、中でも最も地球温暖化の影響が大きいのが「二酸化炭素」です。
呼吸をしたり何かを燃やしたりすることで二酸化炭素が発生することは小学校の理科の授業でも習ったかと思います。
この二酸化炭素を排出する行為の中でも、石油や石炭などの化石燃料を燃焼することで排出される二酸化炭素の量が問題視されています。
発電時に化学燃料を燃やしたり、自動車を走らせる際にガソリンを燃やすことで出る二酸化炭素の量が近年大部分を占めるようになりました。
対応策
日本では、菅総理大臣が所信表明演説で「2050年までに、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」ことを表明し、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。日本政府は化石燃料による発電を規制して、再生可能エネルギーといわれる「太陽光」や「風力」などの、二酸化炭素を排出しないエネルギーの導入、強化を計画しています。
世界的にも、2015年に地球温暖化防止の国際的なルールとして「パリ協定」を採択され、日本を含め120の国と地域が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロを目指すと表明しています。
もちろん、個人一人一人が節電をしたり、自動車を減らして公共交通機関を利用するなどの日々の取り組みも大切ですが、民間企業も省エネや二酸化炭素の排出量が少ないエコカーの使用、製造工程での二酸化炭素の排出量の削減など、各社様々な取り組みを始めています。弊社三協化学も、電気自動車を導入し、自動車からの二酸化炭素の排出削減に取り組んでいます。
石油化学という観点で見れば、身の回りのプラスチックやゴム、接着剤、塗料、合成繊維などが原油からできているため、これらを破棄・燃焼する際に二酸化炭素が発生します。そのため近年では、原油に由来しない化学産業として、バイオマス由来のプラスチックや燃料の開発・導入が進んでいます。
三協化学製バイオマス製品について
弊社製品:エコロソルシリーズ
とうもろこし由来の植物性原料100%でできた工業用の洗浄剤です
また、「カーボンリサイクル」といって、大気中の二酸化炭素を回収して、燃焼や化学品として再利用する技術も注目されています。例えば、二酸化炭素から作るウレタンやポリカーボネートは既に製品化されているものもあります。しかし現在の技術ではまだ、それを製造する工程でも二酸化炭素を排出してしまったり、コストがかかったり、課題がまだまだ沢山あり、さらなる技術開発が必要です。
経済的な影響
このような「脱炭素」への意識が高まる中で、投融資先選びへの影響が世界中で注目されています。
世界中の投資家が、投融資先を選ぶ際に各企業の「脱炭素に対する取り組み」を投資の評価基準にしはじめているのです。つまり、投資家たちは「環境に配慮する企業への投資は儲かる」、「環境に配慮する企業は今後成長していく」と考えているのです。
そのため、各企業は脱炭素に取り組むだけではなく、脱炭素への目標を掲示したり、取り組み内容、その実績などの情報を分かりやすく公開しようとしています。
これからは、脱炭素への取り組みが企業価値に直接つながる時代になっていきそうです。
石油化学は不可欠な産業だからこそ、地球のためにどのように利用・活用していくか、弊社としてもしっかり考えていきたいです。
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