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化学用語解説
2024.11.20
成分は同じでも違うこと
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で弊社にもたくさん不安の声が届きますが、中でも最も多いのが「〇〇会社の××という製品は、手指消毒に使えますか?」「成分が~~と書いてあるものは、手指消毒に使えますか?」というもの。
一言で申し上げますと、
弊社ではわかりません。
(上の青文字の〇〇会社というのが、弊社「三協化学」ならお話は別ですが…)
成分がわかるのに何故わからないのか
もちろんわかることもあります。メタノールや、一部防錆剤など、弊社で見て確実に害の強い成分が含まれていることが分かれば、「さては、それは手指用と書いていないですね? おやめください」と申し上げることができます。
ですが、例えば「エタノール」と一言で言っても、医薬品のエタノールなのか、工業用のエタノールなのか、食品添加物のエタノールなのか、様々なグレードがあります。プロピレングリコールやグリセリンも工業用のもの、食品添加物としてのもの、化粧品用のものなどあります。他にも、様々なグレードを持つ有機溶剤がたくさんあるのです。
アルコールの濃度、エタノールの濃度がコロナウイルスに最も効果のあるとされる70~80%だったとしても、手指に塗布できるか、どんな用途に使えるか、というのは成分だけではわかりません。
グレードとは
同じ分子のものでも、何故グレードが異なるのか。例えば鶏肉をイメージしてください。
ドッグフード用の鶏肉と、スーパーの精肉コーナーに並ぶ鶏肉、どちらも同じ鶏肉ですが、ドックフード用の鶏肉を人間は食べません。ドックフード用は犬が食べて大丈夫だと検査された製品ですが、人間が食べても大丈夫かは検査されていないからです。犬がどんなに美味しそうに食べていても人間は食べられません。
それと同じで、同じエタノールだったとしても、クリアしている検査や製造工程が、エタノールごとに異なるのです。
メーカーが誰よりも製品情報を持っている
人間でいうと、両親が子供のことをすべて知っているかというとそうではない場合もありますが、製品のことはメーカーが誰よりも製品情報を持っています。販売しているところよりも、メーカーの方が確実に持っています。開発の段階から試行錯誤をして、成分を決め、各混ぜ物のグレードを決めているわけですから、当然ですね。
そのため、製品についてわからないことはメーカーに問い合わせるのが最も正確で最も最短なルートになります。
成分(アルコールなど)に関する質問
※2024年11月20日更新
以前、ページのコメントに寄せられた疑問・質問とその回答をご紹介します。
(※一部編集・抜粋しております)
質問No.01~
※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
消毒用アルコール不足のため、三協化学様のエタコール7を購入致しました。こちらは工業用との事ですが、4/14に厚生労働省が工業用エタノールも手指殺菌に使ってよいとの見解を発表致しましたが、こちらは手指殺菌に使用しても宜しいでしょうか?
4/14に共同通信様が出された記事でしょうか。3月23日の厚生労働省様の文書について書かれているようですが、こちらは病院や介護施設にて、やむを得ない状況下でその施設の責任の元において使っても構わないという文書であり、個人様がご使用できる文書ではありません。
また、弊社製品で殺菌できると法律上申し上げられないのと、除菌に関してエビデンスがない、加えてこちらの製品はご使用時必ず保護具(保護手袋、保護マスク、保護メガネなど)を着用していただいている製品でございますので、ご了承くださいませ。
コロナ対策で、エタノール70〜80%とが良いとお聞きして、手元にあるのが同じ商品でエタノール84.4%リンゴ酸ナトリウム0.3%クエン酸0.3%精製水15%の物と、エタノール67.7%リンゴ酸ナトリウム0.3%クエン酸0.3%精製水31.5%です。
これを混ぜ合わせれば75%程度になりますでしょうか?
「エタノール84.4%リンゴ酸ナトリウム0.3%クエン酸0.3%精製水15%の物と、エタノール67.7%リンゴ酸ナトリウム0.3%クエン酸0.3%精製水31.5%です。」と頂きましたが、これは裏面にある成分表に書かれた数値でしょうか。おそらく重量%ではないかと思うのですが、(メーカー様へ確認が必要です)
もし重量%であれば、84.4wt%=89vol%程度、67.7wt%=74.9vol%になります。
というのも、重量で見たとき、水は100mlで100gですが、エタノールは100mlあたり79g程度しかないため、重量%と容量%が変わってしまうのです。
アルコール濃度は容量%で算出するため、一度メーカー様へ確認くださいませ
現在、購入した商品の消毒に次亜塩素酸水を使っていましたが、次亜塩素酸は効果が時間と共に劣化することを知って、別の物を必死で探しています。
そこで質問ですが、エタノール(CAS番号64-17-5)72.3w/w%というのは、除菌に効果があるのでしょうか?
また、創傷面の殺菌消毒用に販売されているエタノール76.9〜81.4%というものはいかがなのでしょうか。
次亜塩素酸水自体、弊社で取り扱いがあるわけではないので具体的な回答を避けさせていただきますが、まずエタノール72.3w/w%というのは、もし他にアルコール系溶剤が含まれていなければ、79%弱程度のアルコール濃度になりますので、基準となります70~80%のアルコール濃度には収まっています。
ですが、どのような製造工程や試験、基準をクリアしてきたエタノールかによって使用できる用途が異なりますのでメーカー様へご確認ください。
また、殺菌消毒用のエタノールの76.9~81.4%が、重量%なのか容量%なのかによって、アルコール濃度が変わってきますので、そちらもメーカー様へ濃度をご確認の上、お使いいただけるとより効果を発揮するかと思います。
ご期待に沿った回答にはなっていないかもしれませんが、何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。
無水エタノールと精製水で希釈したエタノールはどのくらい持ちますか?また、無水エタノールを希釈するときに他に入れたほうが良いものとかありますか?
あと除菌剤でアルコールにリン酸を混ぜて酸性化させてエンベロープを持たないウイルスに対しても効果を発揮させる、といった商品がありますがそれは一般人が一人でやろうとしてできる事ですか?
リン酸に関しては、混ぜるとウイルスへの効果がどうこうという情報を弊社で持ち合わせておりませんのでわかりかねます。
また、無水エタノールを希釈したものがどのくらいもつかは、製造環境や保管状況などによって異なりますので、正確に何日間など申し上げることができませんがお早めにお使いきりください。(食品などの、「開封後はお早めにお召し上がりください」というものと同じです)
ホワイトリカーについて、質問です。
ホワイトリカー(35度)から消毒液を作る方法。
https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_10870490/
http://dnki.co.jp/w2/2020/03/15/potstil/
ホワイトリカーは口に入れても大丈夫なので、工業用アルコールを利用するよりも安全だと思います。当方酒店で、菊水酒造のアルコール77が若干入荷しているのを使用しています。
入荷しなくなったら作ってみようと思います。作られた方の感想をお聞かせ願います。ちなみにamazonのホワイトリカーは当店の2倍の価格で販売されていました
弊社で使用しているアルコールとは管轄が違いますので詳しくはわかりかねますが、ホワイトリカーを蒸留することはアルコールの生産にあたるおそれがありますので、国税庁の確認を取られた方がよろしいかと思います。
購入したイソプロピルアルコール50%Pと、無水エタノールの商品を混ぜて、効果が上がるのか質問です。
イソプロピルアルコール50%Pと、無水エタノールを購入しました。
①そもそもIPAは新型コロナウイルスに効果があるでしょうか?
②あるのであれば、違う2種類のアルコールを混ぜ、御社の「エタノール濃度計算フォーム」に沿って、希望の濃度に出来るのでしょうか?
アルコールがなかなか手に入らない中、IPAを手に入れ、やっと先日無水エタノールも手に入れました。出来れば両方共、効果的に使うことが出来たらと思っております。
恐れ入りますが「イソプロピルアルコール50%P」というのは弊社製品ではございません…。(弊社は「三協化学株式会社」です!)
効果のほどはメーカー様にご確認いただきたいのですが、単純に「アルコール濃度」に関してだけ申し上げれば、IPAとエタノールとを混ぜてアルコール濃度70%にすることはできます。
エタノール濃度自動計算フォームから、
Aの液体の右側の空欄に「50」とご入力いただき
Bの液体の右側の空欄に「100」とご入力いただき、
完成させたい液体の右側にご希望の度数を入力いただければ、アルコール濃度は調整できます。
アルコール濃度測定器なるものも売っているようですが、そこまでせずに表記等できちんとした商品なのか確認する方法はありますか?
例えば工業品のJISマークのような、きちんとした規格のものには必ずこの表示があるとか、そう言ったものです。
コロナによるアルコール製剤不足から、最近あまり聞いたことがない多くのアルコール除菌液が出回って来ていますが、正直本当に謳っている濃度なのか?素人にはわかりようもなく、信じて使用するしかないのかなと…今購入を検討しているものがあるのですが、食品工業用除菌エタノール、食品添加物のエタノール製剤、というもので、アルコール濃度が75%となっており、名称はアルコール製剤(発酵アルコール)食品添加物、となっています。
値段も良心的で普通に在庫もあるようなので、本当に手指の消毒に使用して良いのかアルコール濃度はその通りなのか等、失礼ながら逆に不安を感じて購入を迷っています。
医薬品の消毒剤、殺菌剤であれば薬局方がございますが、除菌剤はそのメーカーの規格か、メーカが所属する業界団体の規格によって作られていますので、法的な縛りはありません。
ですが成分表記に偽りがあれば景品表示法に違反します。違反していると思われる場合は消費者庁への相談が必要です。
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