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化学規制

2018.11.29

中国のVOC規制について

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中国のVOC規制

近年、中国の深刻な大気汚染が問題視される中、中国政府はPM2.5や二酸化硫黄、二酸化窒素、VOCの削減を目指しています。
実際にVOC規制が始まったのは2016年からで、5年間で重点地域、重点産業に対し汚染物質の総排出量の削減累計-10%を目標にしています。

中国都市

重点地域

北京、天津、河北、遼寧、上海、江蘇、浙江、安徽、山東、河单、広東、湖北、湖单、重慶、四川、陜西などの16 の省市に及ぶ。
(具体的地域:北京・天津・河北及びその周辺地域、長江デルタ、珠江デルタ、成都・重慶、武漢及びその周辺地区、遼寧中部地域、陜西関中、長沙・株洲・湘潭等)

重点産業

石油化学、有機化学工業、包装印刷、工業塗装等の産業及び交通源VOC 汚染。

対象物質

非メタン炭化水素類(アルカン、アルケン、アルキン、芳香族等)、酸素含有有機物(アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル等)、塩素含有有機溶剤、窒素含有有機溶剤、硫黄含有有機溶剤

 

政府が定めた行動法案

産業構造の見直し

①VOC汚染の深刻な企業に対して総合的対策をとる

VOC汚染が深刻な企業は排除したり改造したり、総合的な対策がとられるようになります。

②VOC排出重点産業の建設プロジェクトの環境認可条件を引き上げ、VOC排出量の新規増加を厳格に制御する
  • 重点地域では、石油化学、有機化学工業、包装印刷、工業塗装などのVOC排出量の多い建設プロジェクトを厳格に制限がかかる
  • 「石油化工産業計画部局方案」で認められていない新設精錬プロジェクトの建設は許可されない
  • 区域内VOC排出プロジェクトの当量代替、あるいは倍量削減を実施される
③企業の生産時間の調整

24時間のうち、生産時間を各社ずらし、ピークの時間帯に集中しないように調整しなければなりません

工業源VOC汚染防止措置の実施を加速

①石油化学工業

今まで排出基準はありましたが、その基準をきちんと守れているところと守れていないところとがありました。
これを全面的リーク検出や設備の改修展開によって、管理制度を健全化することになります。

②有機化学工業界

低VOCのものや無VOCのもの(また、それを含有したもの)、低反応性の材料と製品の使用を普及が進みます。
石炭化学工業界では、全面的に改修を実施し、製薬、農業、コークス精錬、塗料などの産業でも逐次改修が施されます。
今までもそのような改修はありましたが、加速が見込まれます。

③工業塗装産業

次のような製造業界で使われる、工業用塗装VOCの排出が制御されます。

  • コンテナ
  • 自動車
  • 木製家具
  • 船舶
  • 建設機械
  • 鋼構造
  • 巻材

また、水性塗料やハイブリッド塗料の使用が促進されます。

④包装印刷産業

低VOC含有、あるいはVOCのものを含んでいないグリーン材料と先端生産技術、設備などの使用を普及させ、排ガス収集を強化しなければなりません。
末端汚染の対策を進め、包装印刷業界全体のVOC制御の実現を目指すことになります。
⑤地方の産業構造の特徴に基づき、工業生産VOC総合対策を推進する

交通源のVOC汚染防止をさらに推進する

①交通源のVOC

新エネルギー自動車やクリーンエネルギー自動車を普及が加速されます。

②全面的に、石油製品の貯蔵・運輸・販売過程の揮発ガス回収対策を強化します

ガソリンの貯蔵・運輸・販売過程の揮発ガスが対象で、港口、船舶運輸過程の揮発ガスの回収対策が推進されます。

生活源や農業源のVOC汚染防止も展開

①建築塗装業界

環境要求を満たす建築塗料、木器塗料、粘着剤などの製品が推奨されるようになります。
地域ごとの統一基準が設けられます。

②自動車修理業界

水性塗料やハイブリッド塗料の使用が義務化するといっても過言ではないでしょう。

③その他生活源

溶剤回収冷却システムを配備する、密閉式のドライクリーニングが推奨されるようになります。
都市部の飲食系企業は高効率の油煙浄化設備を取り付け、正常に稼動していることを保障しなければなりません。

④農業・農村源

藁の総合利用を掲げ、藁焼却によるVOCの削減がはかられます。
寒い地域の冬季の保温措置では、できるだけガスや電気を利用し、石炭燃焼によるVOCの排出制御が図られます。

VOC管理体系の健全化

①VOC管理基準体系の設備が加速します
②モニタリング体系が健全化されます

重点都市では少なくとも1区域で「VOC自動モニタリングシステム」を構築しなければならなくなります。
以下の業界の企業を、VOC重点源として「重点汚染排出企業目録」に収載されます。主要な汚染排出口に汚染物質排出自動モニタリング設備を設置し、環境保護部門とネットワーク接続しなければなりません。

③汚染排出許可制度を実施
  • 2017年末までに、北京・天津・河北・山東・長江デルタ・珠江デルタ等の重点地域の石油化学工業に対して、汚染排出許可証の発給を完了
  • 2018年末までに製薬・農薬などの業界の汚染排出許可証の発給を完了
  • 2020年末までに、電子・包装印刷・自動車製造などのVOC重点排出業界に対し、全面的な汚染排出許可証制度を実施する
④統計、調査体制の強化
⑤監督検査体制の強化
⑥経済対策の改善
⑦経済政策の改善

適切な時期に、VOC排出を環境保護税の徴収範囲に入れることが検討されています。

 

日本と中国の違い

日本は排出するVOCの濃度を管理していますが、中国では排出するVOCの量を管理しているのが大きな違いです。
他にも、中国の規制ではVOCの排出を許認可制度にし、強力に削減を進めています。

 

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