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身近な有機溶剤
2024.11.20
除光液について
目次
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除光液とは
マニキュアを落とす液を、「除光液」や「除去剤」「エナメルリムーバー」と呼びます。
コンビニや100円均一などで手軽に購入でき、セルフネイルをより一層手軽なものにしています。
落とす時は、この除光液をコットンに染み込ませ、除光液の染み込んだコットンをマニキュアの上に置き数秒数え、それから拭き取ると綺麗にマニキュアを落とすことができます。
ただ、落とせるのはあくまでマニキュアやネイルポリッシュと呼ばれるネイルカラーを落とすためのもので、最近流行りのジェルネイルはこの除光液で落とすことができません。
除光液の成分
主成分①
以前、コラムにも書きましたが、除光液は有機溶剤で出来ています。
一般的な除光液は、「アセトン」という有機溶剤が主成分です。
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除光液のあの「ツン」とした独特のにおいは、アセトンのにおいです。
ネイルについての記事で、マニキュアは主に樹脂と顔料で出来ていると書きましたが、この樹脂を溶かすのがアセトンです。
アセトンのここがすごい!
- 樹脂を溶かせる
- 水に溶ける
- 油も溶かせる
アセトンのここがダメ!
- においが強い
- 引火性がある
- 油を溶解しすぎて、皮膚や爪の油まで除去してしまう
そのため、除光液を使うと爪が白っぽくなるという方は、油が奪われて爪が乾燥してしまったからなのです。
主成分② ~ノンアセトンタイプ~
アセトンには上にも書いた通り、爪や皮膚の油が落とされすぎてしまったり、引火性があったり、においがきつかったり、人によってはアレルギー反応を起こしてしまったりすることがあるため、最近ではアセトンが入っていないタイプの除光液も増えています。
「ノンアセトン」や「アセトンフリー」などと呼ばれていますが、勿論、マニキュアを落とすためにアセトン以外の有機溶剤が配合されています。
ではどのような有機溶剤が使われているのでしょう。
市販のノンアセトンタイプの除光液で、多かった成分は下記です。
▶ 酢酸エチル
▶ 炭酸プロピレン
▶ MEK
▶ 酢酸ブチル
▶ 乳酸エチル
などなど…、色々なタイプがございました。アセトンは含まれていないものの、
化学物質なので、当然爪への影響はゼロではないことは忘れないでください。
ノンアセトンに使われる主成分の有機溶剤も、少なからず皮脂を落としてしまうので、ノンアセトンだから安心というわけではありません。
ただ、アセトン独特のにおいはしないので、そのにおいを倦厭している方にはうってつけだと思います。
一方で、ノンアセトンの除光液はアセトン主成分の除光液に比べ、どうしてもラメ入りマニキュアや重ねづけマニキュアなどは落ちづらい傾向にあります。
その他成分
除光液は樹脂を溶かす有機溶剤だけで構成されているのではなく、オレンジオイルやアロエエキス、プロピレングリコール、グリセリン、ヒアルロン酸Na、香料なども含まれています。
においを緩和するため、保湿するため、酸化防止するためなど、目的は様々です。
アセトンタイプとノンアセトンタイプ、その他主成分を考慮し、落としたい爪やマニキュアの状態、肌への影響など用途に合わせて使い分けるのも一つの手段でしょう。
除光液の危険性
アセトンは上にも書きましたが、雑貨屋さんや100円均一などでも手軽に購入できます。
ただ、引火しやすく扱いには注意が必要です。
除光液を使ったことのある方は分かるかもしれませんが、アセトンは非常に揮発性が高い液体で、除光液の蓋を開けた瞬間から空気中にアセトンが蒸発していきます。
気体になってもアセトンはアセトンなので、引火性が高く、何を言いたいかと言うと、アセトンが飛んでいる中で火の気が発生しようものなら、あっという間に火が点いてしまいます。
実際に、あるネイルサロンでは、煙草の火が引火してしまった事件も過去にあったようです。
それではノンアセトンタイプなら、引火しないのか? というと、そんなことはありません。
上に書いた、主なノンアセトンタイプに使われる溶剤は、多くが引火性が高く、アセトンほど揮発性は高くありませんが、十分に気を付けるべき有機溶剤です。
有機溶剤が部屋に充満しないよう、除光液を使う際は必ず換気をし、なおかつ絶対に火気のないところで使用しましょう。
ジェルネイルのリムーバー
除光液ではジェルネイルは落とせません、と冒頭で書きました。
ジェルネイルにはジェルネイル用のリムーバーがあります。
とはいえ、ジェルネイル用のリムーバーも、除光液同様、成分はほぼ「アセトン」です。
ジェルネイルは除光液では落とせないのに、ジェルネイルリムーバーには除光液と同じ成分が使われている…?
ちょっと何を言っているかよくわからないと思いますが、そもそも落とし方が異なるのです。
ジェルネイルのリムーバーは、最初からそれだけでジェルネイルを除去できるわけではありません。
最初にジェルネイルを物理的にヤスリなどで削り落とし、最後に残った部分のみ、アセトンを染み込ませてジェルを浮き上がらせます。
■アセトン不要のジェルネイルリムーバー
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アルミ巻きが不要で、セルフオフも可能! アセトンによる肌の乾燥も防止!
アセトンと除光液
ノンアセトンが普及してきたとはいえ、アセトンはネイルの世界で広く使われています。
ネイルアートを楽しむためには、切っても切り離せない除光液、使い方や選び方には十分気を付けて安全に使いましょう!
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除光液に関する質問
※2024年11月20日更新
以前、ページのコメントに寄せられた疑問・質問とその回答をご紹介します。
(※一部編集・抜粋しております)
質問No.01~
※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
最近、セルフネイルを始めた学生です。ジェルネイルをオフするリムーバー主成分のアセトンはインターネットで検索すると、発がん性があり危険という人と発がん性はないという人がいます。
本当のところはどちらなのか教えてもらえないでしょうか?
私もオフする時にリムーバーを使うのでとても不安です。
https://www.sankyo-chem.com/wp/wp-content/uploads/acetone.pdf
弊社のアセトンSDSにもあるように、発がん性を示すデータはありません。ですがアセトンは引火性やその他の毒性がありますので、しっかり換気しながら火気厳禁でご使用ください。
除光液が布に付いたのはどうすればとれますか?
アセトンなどの有機溶剤であれば、乾いてしまえばそこに有機溶剤の成分は残りませんが、例えば除光液に色がついているものなどであれば、布に色が残る可能性があります。除光液のメーカー様にお問い合わせください。
娘が自由研究で除光液を器に入れたいのですが、何の器が割れたり溶けたりしませんか?
除光液にもさまざまな種類があり、成分がわからないとなんとも言えませんが、ガラス製であれば問題なくお使いいただけます。
以前セルフネイルで使用していたアセトン99%が不要になったため、処分方法を調べたところ汚れがよく取れるので掃除に使えるとのコメントをネットでちらほらみつけました。
そこで例えば◯◯の汚れを取る際には、お水?とアセトンをどのくらいで割ると良いなど、アドバイスいただけないでしょうか?
以前テーブルにこぼしてしまった際にペンキ?が剥がれてしまったことがあり、威力は確かに強そうだなとは思いました。処分するのも大変そうなので、少しでも何かに使えたらと思っております。
弊社のお客様は基本的に原液でお使いになるご用途がメインで、希釈しての販売実績がないため、具体的には分かり兼ねます。
また、非常に引火性が高いので、一般の洗浄用途への使用はお勧めできかねます。
最近除光液を使って転写ができると聞いたのですが…アセトン入りでもなしでもできるらしくて、どうして転写できるか分かりますか?
弊社でどのような除光液ならば転写が有効なのか知見がないのですが、例えば塩ビのテーブルクロスの下に名刺などを長期間挟んでおくと、塩ビのテーブルクロスに名刺の文字や柄が写ってしまうという転写がおきます。
これは塩ビのテーブルクロスに含まれる可塑剤がインクに作用してこのような現象となります。
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