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化学用語解説

2018.09.03

フロンについて

フロンについて

 

フロンとは

突然ですが、皆様は「フロン」と聞いてすぐピンとくるものがありますか?
フッ素? それは歯医者さんで歯に塗るやつです。学生の時理科の授業で「水兵リーベー僕の船…」と覚えた”船”の「フ」(周期表の9番目)です。
フロンは周期表には乗っていません。
何故かというと、元素ではなく、人間が合成して作り出したものだからです。

 

フロンの歴史

冷蔵装置の冷媒として使われていたアンモニアの代替として、1920年代後半に開発されたのがフロンです。
とても優れていたため、爆発的に使用されましたが、1970年代に、地球を包んでいるオゾン層を破壊するということで新規冷蔵設備での使用が禁止されました。

 

フロンの呼び名

フロンとは、日本だけで通用する名前で、外国では商標を持つデュポン社の「フレオン(freon)」で呼ばれます。
何故日本だけ呼び名が違うかというと「フルオロカーボン」という化学名を長い横文字は一部省略して縮める日本式省略法が自然に適応されたのではないかと推測されます。
まあ、イマドキで言うなら「コスパ」と同じです。
「コスパって何?」と言われても、コスパはコスパ、間違っても正式な英語のコストパフォーマンスとは言わないでください…座が白けます(笑)

フロンのことは福岡女子大学 国際文理学部教授 吉村利夫先生のまとめられた「フロンについて」というPDF2頁の非常に優れたものがありますので、是非ご一読ください。
http://www.fwu.ac.jp/~yoshimura/yoshimura/chemistry_I_2009/13%20printout.pdf

ということで本日はここで失礼いたします。

…ん?
もっと話せと仰るならすこしだけ補足すると、
吉村先生は京都の大学をお出になられた後、大手化学メーカーに就職され、その後2002年から福岡女子大学に奉職され、紙おむつの研究などを発表されています。

 

フロンの使用について

さて、使用が禁止されたフロンは最初に作られた「フロン12」と後から出た代替品の「HCFC(Hydrocholorofluorocarbon)-22冷媒」というもので、今でも他の番号のフロンは日本でもアメリカでも販売されております。
アメリカでは、認定された技術者で有効なEPA認証カードを持っていれば、問題の「フロン12」も購入することができます。
日本でも、「フロン12」を購入することはできますが、(製造は禁止されている)
改正フロン法によって、フロンガスの漏洩点検が義務化され、既存業務用(冷蔵)設備に使われているフロンの管理はかなり厳格に定められています。

3ヶ月に1度の簡易点検、
1年ごとの有資格者における定期点検です。

フロンをみだりに放出したり、チェックや記録を怠った場合、あるいは立ち入り検査を拒否したり、虚偽報告・未報告があった場合などには罰則が適用され、1年以上の懲役もしくは50万円以上の罰金が科されます。
お縄にならないよう気を付けましょう。以上。

 

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