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化学用語解説
2018.08.28
切削油について①
目次
切削油とは
切削油とは、金属を切ったり削ったりする際に使う油のことで、加工油の一つです。
何故金属を切削する時に油が必要なのかというと、下の2点のメリットがあるからです。
- 工具の刃先が高温・高圧になり、焼き付いてしまうことを防ぐ
- 工具の切れ味を良好に保てる
切削油の種類
切削油には大きく分けて、「不水溶性切削油」と「水溶性切削油」があります。
(不水溶性切削油は、油性切削油とも非水溶性切削油とも呼ばれます。)
不水溶性切削油 |
水溶性切削油 |
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|
どちらも切削油ではありますが、性能が異なるため目的によって選定する必要があります。
切削油の性能
不水溶性切削油と水溶性切削油の性能を比較する上で大事なのは下の6点です。
①潤滑性
摩擦を減らし、工作摩擦や切削抵抗を減らします。
工具の寿命を延ばしたり、加工面の品質向上に役立ちます。
②冷却性
切削工具の温度を下げ、工作摩擦を減らします。
工具の寿命の延長を助けます。
また、工具の温度を下げることによって熱膨張を減らし、加工精度の維持に役立ちます。
③錆止め性
切削面を保護し、錆の発生を抑えます。
④耐久性
切削油自体の寿命に関わり、交換のコストや手間に関係します。
⑤作業性
取扱いのしやすさに関係します。
⑥消防法の取扱い
引火の危険性や貯蔵に関係します。
水溶性切削油と不水溶性切削油の違い
①潤滑性
水溶性切削油 < 不水溶性切削油 |
潤滑性は油性タイプが優れます。水溶性切削油の中潤滑性を求めるならば、エマルションタイプが良いでしょう。それ以外の水溶性切削油を使用する場合は、機械の潤滑性維持や保守に十分注意が必要です。 |
②冷却性
水溶性切削油 > 不水溶性切削油 |
水溶性切削油の最も得意とする分野で、油性のものよりも圧倒的に水溶性の方が優れます。水の熱伝導率は油のそれよりも約5倍となっており、水は油より冷却効果が高いといえます。 |
③錆止め性
水溶性切削油 < 不水溶性切削油 |
錆止め性は油性が優れます。水溶性切削油は水に希釈して使用するため、効果には圧倒的な差があります。水溶性切削油の中でもエマルションタイプは最も錆止めに効果がありませんので、注意が必要です。 |
④耐久性
水溶性切削油 < 不水溶性切削油 |
詳細は後述しますが、切削油は異物の混入により劣化しやすい傾向にあります。さらに水溶性切削油はバクテリアによる腐敗劣化にも注意が必要です。 |
⑤作業性
水溶性切削油 > 不水溶性切削油 |
発煙や引火性の心配がない点や、床面や作業服を汚染しにくい点を考慮すると水溶性の方が作業しやすいと思われる。ただし、一般的に水溶性切削油のほうが皮膚への影響力が大きいとされているため注意が必要です。 |
⑥消防法の取扱い
水溶性切削油 > 不水溶性切削油 |
水溶性切削油は水に希釈して使用するため、使用時は消防法の適用を受けない「非危険物」となります。引火の心配や貯蔵における指定数量の規制を受けないため、比較的取扱いしやすいのです。ただし、エマルションやソルブルの原液は引火点をもつものもありますので、貯蔵時は注意が必要です。 |
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