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化学用語解説

2024.11.20

接着剤について①

接着剤について①

 

接着とは

接着とは、二つの材料(=被着材)を接着剤という媒体を用いて面で接合することを言います。
接着剤は大きく、「有機系」「無機系」の2種類に分類でき、さらにそれぞれの生産材料や種類によって分類できます。

接着剤の有機系、無機系の系統表

 

接着剤の固まり方

①化学反応型…
(1)主剤と硬化剤を混合接触させて、化学反応で硬化するもの
(2)一液で空気中や被着材中の湿気と反応して硬化するもの
(3)空気を遮断すると硬化するもの
(4)紫外線で硬化するもの

乾燥硬化型・・・接着剤中に含まれる水や溶剤が蒸発して固まるもの

感圧型・・・いつまでも硬化せず粘着性を保持しているもの (一般的に粘着テープに加工して使用する)

熱溶融型・・・常温では固形だが、熱を加えることで液状になり、放冷することによって固着するもの

 

溶着について

樹脂同士を接着させる場合、被着材である樹脂自体を溶かし、接着させることもあります。この時の樹脂として多いのは、ポリカーボネートやABS、アクリル(PMMA)、塩化ビニルなどが挙げられます。

樹脂を溶かして接着させると一言に言っても、溶かし方も様々です。一つは「塩化メチレン」(別名:メチレンクロライド、ジクロロメタン)などの溶解力、速乾性の高い溶剤で樹脂の表面を溶かし接着する方法があります。他にも、熱で溶かして接着する「熱溶着」や、「超音波溶着」「熱風溶着」(溶接)などの手法もあります。

 

接着と粘着の違い

接着剤に含まれる水や溶剤が揮発したり、化学的に反応することで固まることを「接着」と言いますが、一方で「粘着」は、粘着剤がいつまでも固まらずネバネバしているのが特徴で、上述している「接着剤の固まり方」の項目で「感圧型」と紹介しているものがそれにあたります。
一度くっつけたものを比較的容易に剥がすことができるので、シールや粘着テープに利用されています。一方で接着剤は、簡単に剥がれてしまうと困るので、接着強度が求められるのです。

 

溶剤系接着剤

溶剤系接着剤には、

①ゴム糊や樹脂を溶剤中で反応させるタイプ
②接着性・作業性付与を目的として溶剤は少量しか含有していないタイプ

があります。
接着剤の主成分になるものを下記の図にまとめました。

また、これらの主成分を溶かし、原料となる溶剤は、メタノール酢酸エチル酢酸ブチルトルエンキシレンMEKMIBKMCHノルマルヘキサンなど、様々です。

溶剤系接着剤の種類と主成分の表

 

接着剤に関する質問

※2024年11月20日更新

以前、ページのコメントに寄せられた疑問・質問とその回答をご紹介します。
(※一部編集・抜粋しております)

質問No.01~10

※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
瞬間接着剤でくっついたものを取りたいんですが、溶剤で取れますか?

何と何を瞬間接着剤でお付けになられたかにもよるのですが、一般的にアセトンで落とすのが一昔前まで主流でした。ですが、アセトンは有機溶剤中毒予防規則に該当するため代替化の流れが進んでいます。弊社でもアセトンを取り扱っていますが、アセトン代替となる剥離・洗浄剤も扱っています。
もしご興味があられましたら、「ファインソルブE」という製品がアセトンの代わりに瞬間接着剤をとることができますので、ご覧いただければ幸いです。

クリーニング店を経営しております。衣類についた瞬間接着剤の除去には使えますでしょうか。
今はジメチルホルムアミド、MEKを使っております。ジメチルなどはアクリル、アセテートなどには使えないのですがファインソルブEは使えない素材はありますでしょうか。

弊社ファインソルブEは、DMFよりは溶解力が弱く、おおよそMEKと同等程度の溶解力と思っていただくとわかりやすいと思います。

ポリカを溶着させる際、メチクロを使用し溶着しているのですが、接着速度をコントロールする何か良い案はございますでしょうか?
メチクロに混ぜて使用できるものが良いのですが。。そういったものってあるのでしょうか?
また、メチクロにトリクロロエチレンを混ぜても危なくはないのでしょうか?

トリクロロエチレンなどであれば、メチクロよりも乾燥が遅いため、メチクロに混ぜることで乾燥を遅らせることができます。
また混ぜることについては、両者とも同じ塩素系の炭化水素ですので、反応して何か危ないものが発生したりすることはありません。

冷却にも熱にも強い接着剤ってあったりするものなのでしょうか?鉄と樹脂を接着させたくて、温度の範囲は-30~80℃くらいなのですが。

硬化後の接着剤は主に樹脂でできているため、樹脂が冷熱に耐えうるかというところが重要なのですが、樹脂に関する知見が弊社では浅く(弊社は溶剤[樹脂ではなく、樹脂を溶かす液]を専門としているため)求める樹脂のデータがございません。申し訳ありません。接着剤のメーカー様へお問い合わせ頂けますようお願い申し上げます。

模型でプラスチックセメントを使うのですがはみ出したセメントの溶剤はあるのでしょうか?

酢酸ブチルなどがセメントを溶かすことができるかと思いますが、セメントを溶かせる溶剤は、模型の樹脂部分も溶かしてしまいますのでおすすめできません。
削り取られるのが、一般的かと思います。

水道用の塩ビ配管の接着剤で有機溶剤中毒予防規則に該当しない接着材を探しています。そのような接着剤があれば教えて下さい。

塩ビ配管の接着剤には、塩ビ樹脂が含まれておりますが、弊社の環境対応型溶着剤は、樹脂が含まれておりません。
水道用の塩ビ配管は圧がかかりますので、樹脂の含まれていない溶着剤の場合小さな隙間から水が漏れる恐れがございますので、樹脂を含んでいた方が気密性が上がりますが、
弊社での取り扱いがございません。申し訳ありません。

塩ビ管に酢酸ブチルで希釈したウレタンを塗った場合、塩ビ管を溶かしてしまう事はないでしょうか?

溶かしてしまいますのでご注意ください。

ジクロロメタンを熱した蒸気で施工していますが、クラックの発生について質問です。

接着ではないのですが、ジクロロメタンを熱した蒸気で自動車のヘッドライト(ポリカーボネート)を綺麗にする工法があり施工しているのですが、仕上げてから1~2日するとクラックが発生しています。
完全ではないですが施工後、紫外線に当てるとクラックが少なく仕上げる事が出来ると思うのですが専門家の観点からジクロロメタンの乾燥?硬化に良い方法などありますでしょうか?
また、クラックなどの予防などありますでしょうか?

実際に弊社でジクロロメタンを使いヘッドライトをきれいにすることを行ったことがないので何とも申し上げられないのですが、樹脂にもよると思いますので、樹脂メーカー様へご相談いただくのが良いかと思います。

接着のご相談をさせてください。

現在、事業で2枚の酢酸セルロースをアセトンを主とした溶剤で溶かしその中に硬化した漆(疎水性)を挟んで接着を試みているのですが漆に対する接着が出来ずにいます。コロナ処理等の処理は既に試しているのですがそれでも上手く接着がいかない状態です。DMFなども試しましたがケトン類と変わらずの接着の状態です。(ケトン類と同じくの若干漆を溶かしているのかな?といった感じです)。
漆の主成分のウルシオールという高分子のSP値を正確に判断できてなのですが、フェノール類なのでケトン類、DMFなどはずれてはいないと感じてはいるのですが。。。
貴社の製品で何かお勧め頂ける接着剤または界面活性剤などありますでしょうか?また、高分子に関して知見も乏しい為アドバイス等いただければ助かります。

弊社では接着剤・界面活性剤の取扱いがないため、製品のおすすめをすることができません。何卒ご容赦いただけますようお願い致します。

塩化メチレンでMCナイロンは溶着できますか?鉄の軸にローレット状の部分があり、MCナイロンのギアをローレット部に圧入する際にMCナイロン軸穴部分を溶かしローレット部に噛みこませトルク強度を上げられないかと考えています。
より最適な溶剤などあれば教えていただけませんか。

申し訳ありません。弊社において、MCナイロンの溶着実績がございませんでした。メーカー様へお問い合わせいただきたくお願いいたします。

 

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