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洗剤・溶解・剥離
2024.11.19
シンナーについて①
目次
シンナーとは
シンナーとは、塗料を薄めるために使用される液体です。語源は英語の「thin(薄める)」から来ています。希釈したい塗料の種類によってシンナーの種類も変わるため、「シンナー」と一言で言っても、沢山の種類があります。
シンナーは有機溶剤を混合させて作られたものがほとんどです。含有される有機溶剤の種類によっては、「シンナー中毒」になる可能性もある為、取り扱い時は注意しなければなりません。
シンナーの種類
塗料用シンナー
弱溶剤で溶ける塗料を希釈・洗浄する為のシンナーで、ミネラルターペン(またはミネラルスピリット)と呼ばれる脂肪族炭化水素を主成分とし、乾燥が遅いのが特徴です。
弱溶剤で溶ける塗料は溶解力の高い強溶剤(ラッカーシンナー、ウレタンシンナーなど)でも溶かすことはできますが、強溶剤では下地を侵す可能性もあるので、注意が必要です。
ラッカーシンナー
ラッカー系の塗料を希釈・洗浄するためのシンナーで、溶解力が高く、乾燥性が高いことが特徴です。芳香族炭化水素系(トルエン、キシレンなど)やエステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン(アセトン、MEKなど)が主成分となっています。
ちなみにラッカー系の塗料を塗料用シンナーで希釈しようとしても溶解力が足りないので溶けません。
その他合成樹脂シンナー
ウレタンシンナー、エポキシシンナー、アクリルシンナー、メラミンシンナーなど、各種樹脂ごとに希釈用シンナーの種類が違います。希釈用のシンナーが樹脂ごとに違うのは、それぞれの樹脂の性質に合わせて成分を変えているからです。
ある樹脂に対して他のタイプのシンナーを使用するのは、シンナーの効果をうまく発揮できない原因になってしまいます。(例:アクリル樹脂にウレタンシンナーを使う)
▲㊧ラッカー塗料を塗料用シンナーで希釈したもの ラッカー塗料をラッカーシンナーで希釈したもの㊨▲
シンナー使用上の注意
シンナーの多くが第四類危険物に該当します。そのため、使用時は安全データシート(別名:SDS)などをしっかり確認し、適用法令や、危険有害性などを把握する必要があります。
危険物に該当するシンナーを扱う際は取扱いの注意事項や「火気厳禁」などの文字をしっかり明示して、関係者以外の立ち入りが出来ないようにしてください。静電気対策や作業場の換気も必要です。また、保管に関して、指定数量以上を補完する場合、認可に合格した適切な施設での保管が義務付けられている上、貯蔵量の上限も定められています。
取り扱いシンナー製品について
弊社では以下のシンナー製品・シリーズをなど幅広く取り扱っております。
有機則・特化則非該当の環境対応型で、トルエンやキシレンを含まないシンナーです。ラッカーシンナーや洗浄用シンナーの代替品として使用でき、塗料の希釈・洗浄、樹脂類(インキ・接着剤)の洗浄、脱脂洗浄など幅広い用途で使用することができます。
NTXシンナーシリーズ ▶
トルエンやキシレンを含まないシンナーで、関連する症状を避け、安全衛生の対策になります。
シンナーに関する質問
※2024年11月19日更新
以前、ページのコメントに寄せられた疑問・質問とその回答をご紹介します。
(※一部編集・抜粋しております)
質問No.01~10
※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
ラッカー塗料を塗料シンナーで希釈できない、アクリル樹脂にウレタンシンナーが使えないと理解しましたが、それはなぜでしょうか?
樹脂を溶かす力の違いですか?
それとも他に理由があるのでしょうか。教えてください。
ラッカー塗料を塗料用シンナーで希釈できないのは、塗料用シンナーで希釈ができるアルキッド樹脂塗料に比べ、ラッカー塗料に使用される樹脂(ニトロセルロースやアクリル樹脂など)は高い溶解力が必要だからです。
アクリル樹脂にウレタンシンナーが使えないわけではありません。ウレタンシンナーの中でも溶解力の高いものであれば、アクリル樹脂塗料を希釈することはできます。しかしその逆で、ウレタン樹脂塗料に対してアクリルシンナーを使用すると、アクリルシンナーに含まれるアルコール成分がウレタン樹脂塗料に含まれる架橋剤と化学反応を起こし塗膜を作れなくなってしまうので注意してください。
またウレタン樹脂塗料に付いては種類が多く、塗料用シンナーで溶解できる物もあれば高い溶解力を持つシンナーを必要とするウレタン樹脂塗料もあります。
さんせんあらいにだした配管をラッカーシンナーで洗い、その後ポリウレタン塗料を塗布するんですが大丈夫でしょうか?
ラッカーシンナーにはアルコールが含まれていますので、アルコールのついた状態で塗装すると、ウレタン塗料が硬化不良を起こします。
完全乾燥させた状態で塗装なさってください。
ラッカーシンナーに#・・・・と番手が有りますが番手によって何が違うのでしょうか?
メーカーによって異なりますが、配合されている成分そのものが異なるケースが多いです。それによって、溶解度や乾燥性などが変わってきます。
また、例えばA社のラッカーシンナー#100とB社のラッカーシンナー#100があったとして、その二つも異なることがありますので確認が必要です。
それぞれの会社の基準で番号が振られているため、異なってきてしまうのです。
なので、たとえば「おつかい」を頼むときは、しっかりメーカーも指定する必要があります。
エンジンのアルミや鉄の油脂分除去に最も適したシンナーの種類を教えて下さい。
一般的には「ラッカーシンナー」が使われています。
自宅屋根塗装中(色はオレンジ)、誤ってペンキが飛散した際に、その小さなペンキ痕にシンナーを吹きかけるだけで、落とせますでしょうか?また、なにか布やヤスリ・たわし等の刺激のあるもので削らなければ落ちないのでしょうか?
屋根はコロニアル屋根です。ペンキが油性、水性のパターンで異なると思いますが、どちらのパターンもお教えください。
塗料などに大変精通されていると思ったので、質問させてください。
使用方法としてはシンナー塗布後、布などで拭き取ってください。ペンキのついた場所の下地がシンナーに弱い場合、下地も一緒にとれてしまうおそれがありますので、目立たないところでお試しになってから、ご使用ください。
油性塗料も水性塗料も、乾いてしまえばすべて樹脂です。そのため、どのような樹脂かによって、シンナーを使い分ける必要があります。
強い樹脂であれば、ラッカーシンナーなどの強力なシンナーが必要です。
下記の「対象外物質」とは、具体的にどのような物質なのでしょうか?
塗料の成分を知りたいと思い、ネットを見ていると社団法人日本塗料工業会からでている塗料標準組成表なるものを見つけました (下pdfをご参照ください)。https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/h13kohyo/hosoku-toryou2.pdf
各種塗料の標準的な組成が書かれているものと見ていると、PTRT制度の対象物質については、その含有量が記載されていますが(例えばトルエン〇%、キシレン〇%)、多くの場合、これらの含有率は数十%程度であり、組成のメインではないように見受けられます。一方で「対象外物質」が80%以上含まれているとされています。
この「対象外物質」とは、具体的にどのような物質なのでしょうか?もしご存知でしたらご教示ください。
使われるシンナーによって異なりますが、一般的には酢酸エチルやメタノールなどが該当します。
ユニットバスで髪を染めるさいに ヘヤカラーを湯船に落としてしまい消す事ができません 良い方法があれば教えて下さい
ヘアカラーの色素が、バスタブに染み込み沈着してしまったということでしょうか。
染み込んでしまった汚れを、例えば有機溶剤で落とそうとされますと、バスタブの樹脂を強く痛めつけることになってしまう上、内部に入り込んでしまった色素にはあまり効果がなく、あまりお勧めできません。
物理的に削り研磨される方法が確実かと思います。
ガラス飛散防止の為ガムテープを貼っていたのですが長い間放置していた為ガムテープを剥がそうとしたら表面だけはがれ、粘着部分が硬くガラスに張り付いたまま取れなくなってしまいました。
サンルームのガラス全体に貼ったのでかなりの量があります。
これをシンナーで落とす事はできますでしょうか?
ガムテープの粘着剤はシンナーで落とすことができます。
かなりの量がおありということで、時間もかかる作業かと思いますが、しっかり換気をなさって(換気される場合は、シンナーの気体が空気よりも重いため、扉を開けるなど足元から換気)火気にはくれぐれもお気をつけください。
一気にやらずに、何日かに分けて作業なさったほうが良いかもしれません。
保管していたシンナーが、ラッカー洗浄用か塗料希釈用か分からなくなりました。
このシンナーがもし洗浄用シンナーであった場合、塗料を希釈した時点では違いが分からないものでしょうか。
洗浄用シンナーであった場合、ウレタン2液または1液を希釈して塗装すると確実にトラブルになりますか?
ラッカーシンナーは溶解力が強いものですが、ウレタン塗料の場合硬化剤となるイソシアネートとラッカーシンナーに含まれるアルコールが反応して、ウレタン塗料が硬化不良を起こしますので、確実にトラブルになるかと思います。
塗料が乾燥した後に シンナーは塗料に残留しますか?
乾燥により、シンナーが揮発して、塗料内に残留しなくなる?
シンナーは乾いてしまえばそこにシンナーの成分は残りません。
仰る通り、乾燥によってシンナーが揮発して塗料内には残留しません。
質問No.11~
※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
塗料用シンナーとラスゴン速乾性シンナーは混ぜてもいいのでしょうか?
混ぜても有毒なガスなどが発生するということはございませんが、ご使用用途に合うかどうかは分かりません。ご容赦下さいませ。
水圧転写フィルムの定着剤としてラッカーシンナーは使用出来ますか?
フィルムのメーカーによって推奨品が異なりますので、一度メーカー様にお尋ねになることをお勧め致します。
施設の壁に油性ペンキを塗ったところ、油性ペンキの上からは水性ペンキは乗らないからやめてくれと言われました。
この場合、シンナーが揮発しペンキが完全乾燥した後にサンドペーパーで足を作ってあげれば、水性ペンキの重ね塗りも問題無いと思うのですがどうなんでしょう?
また、完全乾燥した油性ペンキの上から水性ペンキが乗らないとすると原因はなんなのでしょうか?
同じ水性塗料・同じ油性塗料でも、相性や性質が異なるため、メーカー様へご確認頂くのが確実です。
フッ素系塗料を溶解できるシンナーの種類を教えていただけないでしょうか。
例えばラッカー系塗料の溶解には「ラッカーシンナー」、ウレタン系塗料には「ウレタンシンナー」などと各種ございますが、フッ素系塗料対応のシンナーは、塗料メーカー各社様、「フッ素シンナー」として製品を販売されておりますので、そちらをご使用ください。
とある接着剤使用時の希釈用にSシンナー又はトルエンで希釈とメーカに記載がありました。
このSシンナーとは一般に知られているものでしょうか?
市販品のシンナーでいうところのどのシンナーに該当するかご存知でしょうか?
メーカー様がどのような意図でその記載をされたのかこちらでは分かり兼ねますので、メーカー様へ直接お問い合わせを頂きますようお願い致します。
溶剤が服に付着した場合、どのような物を使えば汚れを落とす事が出来るのでしょうか?
有機溶剤が服に付着した場合、乾いてしまえばそこに有機溶剤の成分が残ることはありませんのでご安心ください。
ご心配であれば、しっかり乾いた後で、通常と同じようにお洗濯してください。
アルミ鋳物に焼き付け溶剤塗装を行いますが、塗装前にシンナーで表面を拭き取る工程があるそうです。
アルミ鋳物には前処理としてアルマイト処理(封孔処理無し)を行っていますがアルマイトの被膜がシンナーによって浸食されることがあるのでしょうか。
使用しているシンナーの種類はわからないのですが・・・ご存知でしたらご教示ください。
アルマイト処理はアルミの表面を変質させる処理で、アルマイト処理を行った表面は変質したアルミ金属となりますので、使われるシンナーにもよりますが、一般的には侵されることはありません。
塗装用シンナ-で200と600でペンキを溶かしたのですが混ざらないのがありました。
番号の違いがあるのですか?
弊社では番手によって、乾燥性が異なったり、溶かせる塗料に違いがございますが、弊社のシンナーでは、200と600の番手はない為、他社メーカー様のシンナーかと思います。
番手の割り当て方はメーカー様によって異なりますので、メーカー様へお問い合わせいただくことをおすすめいたします。
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