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有機溶剤

2024.11.20

MEKについて

MEKについて

 

MEKとは

MEKとは「メチルエチルケトン(Methyl Ethyl Ketone)」の略で、化学の分類で言うとケトン類に分類されます。
ケトン類と言えば、除光液に含まれるアセトンもこの仲間です。

MEK 構造式

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ケトン類は樹脂を溶かす力が強い種類で、MEKも同様に樹脂を溶かす力が強いため、塗料やシンナー、接着剤の原料として利用されています。

 

MEKの毒性

MEKは毒物劇物取締法で、劇物として指定されている薬物です。

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個人的に入手しようとすると、身分証明書の提示が必要になったり、対面での購入が義務付けられ、厳しく管理されています。
また一般企業でも同様に、販売の際は毒劇物の販売許可証を持っていなければ販売することはできません。
(ちなみにMEKは毒劇物に指定されていますが、アセトンは毒劇物ではありません)

MEKは蒸気を吸い込んだり飲み込んだりしてしまうことで、人体に有害になります。
またMEKを継続的に使用することで神経系に影響を来す可能性もあります。
有機溶剤中毒予防規則に指定される溶剤でもあるので、取り扱いには注意が必要です。

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東日本大震災の影響

2011年3月に日本列島を襲った東日本大震災は、多くの人と地域に影響を与えましたが、一部の溶剤にも影響を及ぼしました。
その中の一つがMEKです。
MEKを製造する工場の一つが東北地方にあり、そこがダメージを受け生産できなくなってしまったのです。

MEKは多くの塗料メーカー、インクメーカー、接着剤メーカーなどが使用していたため、MEKの不足はかなりの混乱を招きましたが、幸いにも中国をはじめとするアジア地域からMEKを輸入し、この難を逃れることができました。
災害時の対応について、こういった部分でも入念な対策が必要になるということを再確認しなければなりません。

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MEKに関する質問

※2024年11月20日更新

以前、ページのコメントに寄せられた疑問・質問とその回答をご紹介します。
(※一部編集・抜粋しております)

質問No.01~10

※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
趣味でラフティングをしております。ボートの修理(穴の補修など)にMEKが良いと聞いたのですが、毒劇物に掛かるらしく、個人では入手できませんでした。何か代わりになるものはあるでしょうか?

MEKは毒劇物に該当しますが、個人でもお店によっては購入が可能です。販売の免許を持った塗料販売店や試薬店様で一部取り扱いがございます。但しその際、身分証明書と印鑑が必要になりますのでご注意ください。
入手が難しい場合、プラモデル用の溶着剤(隙間に流し込んで接着するタイプのもの)などでも代用が可能です。

個人なのですが、MEKをどうしても入手したいのですが、入手可能でしょうか?試薬サイズなら買えますか?どこで買えますか?

MEKは毒物及び劇物取締法の劇物に当たりますので、ご購入の際は身分証明書と印鑑が必要になります。
販売する際、然るべき免許が必要になりますので、その免許をお持ちの販売店様でないと販売ができないため、販売免許をお持ちの販売店様を探さなければいけません。

AESの接着のためにネットショップで成分の割合がメチルエチルケトン96%、メチルイソブチルケトン4%のシンナーが販売されておりますので、接着剤として利用できないものか考えています。
そこで質問がございます。

先日、バイクのパーツを接着しようとしまして、AESを見間違えてABSだと思い込み、アセトンを使用しましたが、全く接着する気配が無く、何度かチャレンジした末に疑問に思い、再度材質表示を確認したところAESだという事が判明しました。
そこでAESの接着に適したものをネット検索したところメチルエチルケトンが良いという情報を入手しましたので質問いたしました。

ネットショップの成分が96%と4%の割合の理由は、MEKだけですと毒劇物の対象物質になってしまうため混ぜ物がしてあります。メチルエチルケトン(MEK)もメチルイソブチルケトン(MIBK)も同じケトン類なのでMEK原体との効果に大きな差はないかと思います。
乾燥が非常に早いので、作業スピードにお気をつけください。また、火気にお気をつけになって、しっかり換気をされながら作業なさってください。

洗浄剤として使用を検討しておりますが、乾燥が早いのを遅らせるために、MEKをアルコール等を混ぜることは可能でしょうか。

混ぜても問題ありませんが、溶解力が落ちる可能性はございます。少量でお試しになって、ご調整くださいませ。

樹脂ポリエチレンの表面に付着している鉱油(石油系炭化水素、詳細は不明)を落とせる洗剤を探していますが、MEKでは効果あると思いますか?

MEKでおそらく落とせるかと思いますが、MEKは毒物劇物取締法に該当するものでございますので、使用時はくれぐれもお気をつけください。

MEKは原体のみが劇物対象となり、MEKが含有されている製剤は劇物対象外の認識でいますが、合っていますでしょうか?

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/130813-01-04.pdf
毒物及び劇物取締法で、メチルエチルケトンは物質名のみ記載されています。この場合、おっしゃる通り、原体と呼ばれる化学的純品のみ対象となります。

当社表面処理製造業です。加工に用いる治具を製作するのに、ABS板材を貼り合わせたりするのですが、MEKを使用しております。貼り合わせる面にMEKを塗布し暫く固定していると接着されます。
作業の方法としてそのように教わりましたが、原理が良くわかっておりません。ご教授いただければ幸いです。

ご記述の、ABSをMEKで貼り付ける、というのは、「溶着」と言って、2枚のABSの表面をMEKで溶かした後、MEKが乾いて、再度ABSの表面が固体になって固まることでくっつきます。
下記の記事を参考にされてください。(図もあります)
溶着について

ジクロロメタンを熱した蒸気で施工していますが、クラックの発生について質問です。

接着ではないのですが、ジクロロメタンを熱した蒸気で自動車のヘッドライト(ポリカーボネート)を綺麗にする工法があり施工しているのですが、仕上げてから1~2日するとクラックが発生しています。
完全ではないですが施工後、紫外線に当てるとクラックが少なく仕上げる事が出来ると思うのですが専門家の観点からジクロロメタンの乾燥?硬化に良い方法などありますでしょうか?
また、クラックなどの予防などありますでしょうか?

実際に弊社でジクロロメタンを使いヘッドライトをきれいにすることを行ったことがないので何とも申し上げられないのですが、樹脂にもよると思いますので、樹脂メーカー様へご相談いただくのが良いかと思います。

ネイリストです。ネイルの商材でMEK配合の拭き取り液を使用していたら皮膚に異常が出たので残りを破棄したいのですが、どのように破棄すれば安全で環境にも悪くないのか知りたいです

正しい廃棄方法はメーカー様にお問い合わせください。弊社ではその製品のことが分からないため、お答えすることができません。

錆びているステンレス(SUS304)をMEKで洗浄すると、付着していた錆びを除去できると聞きました。錆びを除去するメカニズムを知りたいです。

そのような知見はございません。根拠も弊社ではよくわかりませんでした。おそらく何かの誤情報ではないでしょうか。

 

質問No.11~

※「▼」をクリックすると質問が表示されます。
メチルエチルケトンの廃棄について、危険物で毒性ありとの事で、安全に廃棄したいのですがどんな方法となりますでしょうか。

掃除だなを整理していたら、メチルエチルケトンとラベルのある、和光純薬の茶色のビンが出てきました。残100mlほどです。少なくとも10年以上前のもので今後使用予定もありません。
家に持ち込んだのは、亡くなった父親かと思います。

管轄の自治体によって推奨される廃棄方法が異なるため、お住まいの地域の自治体様にお問い合わせください。
また、MEKは毒物及び劇物取締法の劇物に該当致しますので、管轄している保健所にもご相談ください。

個人なのですが、MEKをどうしても入手したいのですが、入手可能でしょうか?試薬サイズなら買えますか?どこで買えますか?

MEKは毒物及び劇物取締法の劇物に当たりますので、ご購入の際は身分証明書と印鑑が必要になります。
販売する際、然るべき免許が必要になりますので、その免許をお持ちの販売店様でないと販売ができないため、販売免許をお持ちの販売店様を探さなければいけません。

MEKの濃度による劇薬指定と、取締対象について質問です。

エンジンの内部洗浄の為に購入致しました。色んな通販サイトを見ていると、濃度96%だと劇薬指定?から外れて免許証等の確認無しで買える様でしたので購入に至りました。
実際に商品が届いてパッケージを確認したところ、99%以上と書かれていました。
これって不正に販売されていると思うのですが見解を教えて欲しいと思い、質問いたしました。

MEKは毒物及び劇物指定令において、物質名のみが記されています。
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/doku/situmon/qa.pdf
上記厚労省資料の「問2-3」にもあります通り、物質名のみが記載されている場合は原体が取り締まり対象になります。「問2-3」の原体の定義に基づいて判断を行いますが、判断がつかない場合は、厚生労働省や保健所にご相談下さい。

 

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