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有機溶剤
2017.06.22
トリクロロエチレンについて
トリクロロエチレンとは
トリクロロエチレンは、別名「トリクロルエチレン」「三塩化エチレン」「トリクレン」とも呼ばれており、炭素、水素、塩素からできています。
クロロホルムに似た甘くもスッとする薬品臭を放つ、常温で無色透明、不燃性の液体です。
トリクロロエチレンは下記のように多くの法規に該当しますので、気をつけなくてはいけません。
- 特定化学物質障害予防規則(第2類、特別有機溶剤等)
- PRTR法(第1種指定化学物質)
- 化審法(第2種特定化学物質(政令番号1))
- 水質汚濁防止法:有害物質
- 大気汚染防止法:指定物質
- 土壌汚染対策法:特定有害物質
- 船舶安全法:毒物類・毒物
- 航空法:毒物類・毒物
- 労働基準法:疾病化学物質
- 海洋汚染防止法:施行令 海洋汚染物質: Y 類
トリクロロエチレンの用途
1920年代に、主にダイズ、ココナッツ、ヤシなど植物油の抽出をはじめ食品工業などで広く使われ始めました。
その他、衣料のドライクリーニング用及び金属機械部品の脱脂洗浄剤、医薬品、香料、ゴム、塗料、樹脂などの溶剤として使用されてきましたが、毒性をもつことから1970年代以降ほとんどの国で食品および医薬品での使用が禁止になりました。
現在ではフロンガス代替物質の合成原料や機械部品、電子部品の脱脂洗浄剤として主に使用されています。
また、工業用溶剤として油脂、樹脂、ゴムの溶解、染料や塗料を製造する時の溶剤、無水エタノールを製造する際に微量の残水を取り除くために使われます。
トリクロロエチレンの毒性
トリクロロエチレンは代表的な地下水汚染物質であり、工場排水により土壌が汚染されると、地下水に浸透し、長期にわたり地下水汚染が続くことがあります。
誤って摂取すると吐き気、流涙と眼の痛みや、疲労、精神的混乱、めまい、頭痛、記憶喪失、集中力欠如といった中枢神経系の抑制症状も見られます。
また、WHOのがん研究専門組織IARC(国際がん研究機関)によって、発がん性評価グループ1「発がん性がある」に分類されており、このがんリスクにより、物質特別有機溶剤等第2類も指定されています。
運送の際も、特別の安全対策を講じる必要があるとして消防法の規定に従うことが必要となります。
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