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身近な有機溶剤
2025.03.07
【プロ向け】ゴルフグリップ挿入に適した溶液
ゴルフグリップにシャフトを挿入するために使う溶液は、炭化水素系の有機溶剤が適しています。
一般に乾燥性の違いや臭い、危険性の違いなどによって、ガソリンや灯油、MCH、ノルマルヘキサンなど、さまざまなものが使われています。
この記事では、現在使っている溶液の引火点が低く危険性があったり、乾くのが早すぎたり遅すぎたり、臭いがきついなどの悩みがあるプロの方に、最適な溶剤を複数ご紹介いたします。
ゴルフグリップの挿入方法
シャフトにゴルフグリップを付ける際は、固定するために両面テープを使います。
しかしシャフトに両面テープを付けると粘着力のために挿入できません。
そこで、炭化水素系の溶剤を両面テープの表面と、グリップの内側に塗ることで粘着力を一時的に無効化し、挿入しやすくします。
その後溶液が揮発することで粘着力が回復し、グリップとシャフトを固定します。
溶液の揮発性が低いとゆっくり挿入できますが、乾くのに時間がかかるため、クラブをすぐには使用できません。
反対に揮発性が高すぎると挿入した後、すぐに使用できますが、手早く挿入しなければいけません。
ゴルフグリップの挿入に適した溶剤とは
ゴルフグリップの挿入に適したプロ向けの溶液3種類の特徴は以下の表の通りです。
製品名 | 消防法 | 指定数量 | 少量危険物未満 (指定数量の5分の1) |
代替できる溶剤 | 概要 |
MC-700ソルベント | 第1石油類非水溶性液体 | 200L | 40L | ガソリン、ヘキサンなど | 速乾性が欲しいときにおすすめ 有機則非該当 |
ゴルフグリップ挿入液低臭PRO | 第2石油類非水溶性液体 | 1000L | 200L | 水素化精製重質ナフサ、灯油、ベンジン、ノナン |
程よい乾燥性が欲しいときにおすすめ。また、消防法指定数量対策も可能 |
MC-3000(s)ソルベント | 第3石油類非水溶性液体 | 2000L | 400L | 乾燥は非常に遅く、消防法指定数量の大幅な対策に 有機則非該当 |
溶剤3点をそれぞれ解説します。
MC-700ソルベント
MC-700ソルベントは、速乾性に優れており、ガソリンやヘキサンなどの代替として適しています。
火を近づけた時に燃え始める最低温度である引火点が-4℃と低いため、消防法上の第1石油類非水溶性液体に分類され、指定数量は400Lとなります。
指定数量とは、消防法の適用を受ける量です。指定数量の5分の1以上、指定数量未満の危険物は少量危険物とされ、各市町村の火災予防条例が適用され、危険物取扱者の資格や危険物倉庫がなくても保管できます。ただし、消防署への届け出が必要です。
また指定数量の5分の1未満は少量危険物未満とされ火災予防条例も適用されないため、消防署への届け出も不要となります。
MC-700ソルベントを保管する量が200L未満であれば危険物取扱者と危険物倉庫は不要です。
ガソリンとヘキサンも第1石油類非水溶性液体に分類されますが、引火点がガソリンは-45℃、ヘキサンは-20℃と大変低く、MC-700ソルベントはガソリンやヘキサンと比べ安全と言えます。

そるぶ
指定数量や少量危険物については、別記事「消防法とは?該当する有機溶剤などもわかりやすく解説」で丁寧に紹介しているので併せて読んでネ!
また、MC-700ソルベントは有機溶剤中毒予防規則(有機則)に該当しない製品です。
有機則とは有機溶剤の毒性から、労働者の安全と健康を守るための法令です。
有害性が強いものから順に第1~3種有機溶剤に区分されます。
該当する区分に応じて、使用上の注意事項や中毒発生時の応急措置方法など掲示、有機溶剤作業主任者の選任、換気装置の設置などさまざまな義務が科せられます。
上に挙げた代替できる溶剤のうちガソリンは第3種有機溶剤、ヘキサンは第2種有機溶剤としてそれぞれ有機則に該当しますので、それぞれ該当する規則を守る必要があります。
しかし、MC-700ソルベントは有機則非該当ですので、有機則の適用は受けません。

そるぶ
有機則の詳しい規制内容は、第1種か第2種か第3種かで異なるヨ!
詳しくは別記事「有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは?わかりやすく解説」で丁寧に解説しているから、ぜひ読んでみてネ!
ゴルフグリップ挿入液低臭PRO
ゴルフグリップ挿入液低臭PROは、弊社・三協化学がゴルフグリップ挿入のために作った専用の溶液です。
水素化精製重質ナフサや灯油、ベンジン、ノナンの代替として適しており、低臭性に優れています。
乾燥性はMC-700ソルベントやガソリン、ヘキサンよりも劣りますが、引火点が31℃と安全性が比較的高く、消防法上の第2石油類非水溶性液体に分類され、指定数量が1000Lと5倍となっています。
ゴルフグリップ挿入液低臭PROは、1000L未満までであれば、保管に危険物取扱者も危険物倉庫も不要です。
また、ゴルフグリップ挿入液低臭PROは、有機則非該当品です。
有機則の適用は受けません。
導入実績があり、専用に製品化されたものです。
ゴルフグリップ挿入液低臭PROの導入実績は以下でご紹介しております。
ゴルフグリップの挿入 ゴルフグリップ挿入液低臭PRO MCH代替
ゴルフグリップの挿入にMCHを使用していたが、より引火点が高く、臭気を抑えたものへの代替を検討。
ゴルフグリップ挿入液低臭PROが採用となった。
MC-3000(S)ソルベント
MC-3000(S)ソルベントは、ゴルフグリップ挿入液低臭PROと比べ乾燥性はさらに劣ります。
しかし、消防法上の第3石油類非水溶性液体に分類されるため、指定数量が2000LとMC-700ソルベントの10倍です。
MC-3000(S)ソルベントは、2000L未満であれば、保管に危険物取扱者も危険物倉庫も不要です。
また、MC-3000(S)も有機則非該当品のため、有機則の適用は受けません。
まとめ
MC-700ソルベント、ゴルフグリップ挿入液低臭PRO、MC-3000(S)ソルベントをお求めの方は下記リンクより、お気軽にお問い合わせください。
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