NEWS

化学規制

2025.02.14

中国語SDSとは?日本語SDSとの違いや作成委託の料金などを解説

中国語SDSとは?日本語SDSとの違いや作成委託の料金などを解説

有機溶剤や洗浄剤、剥離剤、危険品などの化学品を中国へ輸出するには、中国語のSDSが必要になります
中国語SDSとラベルの特徴と、業者へ作成を依頼した場合の費用を弊社が依頼した見積もりを例に紹介します。

結論としては、業者へ依頼すると高額です。

中国におけるSDS

化学品を中国へ輸出するには中国語SDSが必要の図SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)のことで、化学物質や化学物質を含む混合物を譲渡したり提供したりする場合に、その化学物質の物理化学的性質や危険性、有害性、取扱に関する情報を化学物質などを提供する相手に伝えるための文書のことです。

ILO(国際労働機関)条約での取り決めやISO(国際標準化機構)での標準化など、国際的な枠組みが整備され日本を含む多くの国々でSDSの提供が義務化されています。

中国でも2011年から、中国国内へ化学品を輸入する企業と中国国内の化学品製造企業は該当の化学品のSDS(化学品安全技術説明書)の作成が義務付けられました

中国のSDSは当然、中国語で作成する必要があります。
日本のSDSはJIS規格の(JIS Z7252-2019)と(JIS Z7253-2019)に準拠して作成していますが、それをそのまま中国語に翻訳するのではなく、「化学品安全技術説明書の内容と項目順序」(GB/T 16483-2008)「化学品安全技術説明書作成ガイダンス」(GB/T 17519-2013)の2件の国家標準に準拠しなければいけません日中のSDS作成基準の違い

※国家標準とは別名GB規格とも呼ばれ、日本のJIS規格に相当するものです。

化学品安全技術説明書の内容と項目順序(GB/T 16483-2008)

「化学品安全技術説明書の内容と項目順序」は、SDSの内容や形式について具体的に定めています。
記載すべき項目は以下の16項目です。なお、順序は変えてはいけません。

SDSの項目と順序の表※「▼」をクリックすると表が開きます。
項目 詳細
1 化学品および企業情報 化学品の名称、使用用途、供給元の製品コード、名称、所在地など
2 危険性概説 化学品の主な物理・化学危険性などの情報
3 成分・組成物情報 物質か混合物を明示、化学品の名称、CAS番号
4 救急措置 救急のための情報をわかりやすく
5 消防措置 消火方法や適合する消火器の情報
6 漏洩応急処理 漏洩化学品の収容、清掃などの情報
7 操作処置と貯蔵 安全処置の注意事項、安全貯蔵の条件など
8 曝露防止および保護措置 許容濃度、工程コントロール方法、防護設備の種類や材料などの情報
9 物理、化学特性 匂いやpH値、融点、フラッシュポイント、爆発限界などの情報
10 安定性と反応性 避けるべき条件、相容れない物質、危険分解産物などの情報
11 毒性学情報 化学品と接触して起こり得る全ての健康影響(毒性作用)を明記
12 生態学情報 環境に与える影響
13 廃棄処置 化学品およびその包装容器、材料の適当な処分方法
15 適用法令 化学品を管理する法規の名称と情報を明記
16 その他の情報 参考文献などその他の情報

化学品安全技術説明書作成ガイダンス(GB/T 17519-2013)

「化学品安全技術説明書作成ガイダンス」は、前項の「化学品安全技術説明書の内容と項目順序」を補足するもので、各16項目の作成ルールや注意点、使用する計量単位などが書かれています。

日本のSDSと中国のSDSの違い

日本と中国のSDSの違いの図 中国のSDSには、日本のSDSといくつか違いがあります。それぞれ見ていきます。

適用法令の違い

まず大きく違うのは項目15の適用法令です。
日本のSDSは、その物質が適用される日本国内の法律を記載します。
中国語のSDSは当然、その物質が適用される中国国内の法律を記載しなければいけません。
そのためには、中国の法律に関する専門的な知識が必要となります。

有害性情報の違い

中国のSDSの有害性情報は、国際的なシステムであるGHSに準拠しています。
一方で日本のSDSの有害性情報は、独自のJIS規格に準拠しています。
GHSには、経口毒性と経皮毒性、吸入毒性の区分5と、皮膚刺激性の区分3、誤えん有害性の区分2がありますが、日本のJIS規格にはありません。そのため中国語SDSに記載する義務がありますが、日本のSDSには記載する必要がありません。
まとめると以下の表のようになります。

項目 区分 日本(JIS) 中国(GHS)
急性毒性 経口毒性:区分5 ない あり
経皮毒性:区分5 ない あり
吸入毒性:区分5 ない あり
皮膚刺激性 区分3 ない あり
誤えん有害性 区分2 ない あり

24時間対応の緊急相談電話番号

また、中国ではSDSとラベルに24時間対応の緊急相談電話番号を記載する必要があります。

中国語SDSの作成を委託する場合の費用

中国語SDSの作成を委託する場合の費用中国語のSDSは、上記の二つの国家標準に従い、全文中国語で作らなければいけません
単に中国語の知識だけでなく、化学の専門用語や中国の規則に関する知識、SDS制度に関する知識など専門的な知識が必要になるため、専門の業者に依頼する必要があります。

弊社がある企業にSDSとラベルの作成を依頼したところ、SDSは1製品につき6万円で、ラベル作成は1製品につき1万8千円でした。

また、上記の24時間対応の緊急相談電話番号の委託サービスも同企業は請け負っており、価格はSDS1件4万円、2~10件は1件あたり8千円、11~100件は同7千円、101~200件は同6千円でした。

まとめ

ここまで見てきたように、中国語のSDSを作るには複雑な中国語の知識と中国の化学品関係の法制度の専門的な知識が必要で、一般企業では難しいです。
専門業者に委託するにも高額な料金が必要です。

弊社、三協化学では中国広東省東莞市に製造拠点があります。
同製造拠点に製造委託いただける場合は、中国語のSDSとラベルを無料で作成いたします

危険化学品登録が必要な場合は別途代金を頂きます。危険化学品登録については、別記事「中国の化学品(有機溶剤、洗浄剤、危険品等)に関する法令をわかりやすく解説」で説明しております。

同製造拠点では、一斗缶やドラムの荷姿の単体有機溶剤や洗浄剤、剥離剤、シンナー類を製造しています。
※界面活性剤や添加剤を添加するような作業はできないため、塗料や接着剤には対応しておりません。

下記の表は、同製造拠点の対応エリアと対応可能製品です。

項目 詳細
対応エリア 広東省および福建省、広西チワン族自治区、上海市、浙江省、江西省、天津市、山東省、湖南省、湖北省、海南省、江蘇省、安徽省、河南省、四川省、重慶市、山西省、河北省、北京市、黒龍江省、遼寧省、吉林省(東北三省)、雲南省、貴州省、陝西省、甘粛省
※一部配送できないエリアあり
対応可能な単体溶剤 トルエン、キシレン、MCH(メチルシクロヘキサン)メタノール無水エタノールIPA(イソプロピルアルコール)酢酸エチル酢酸ブチルMEK(メチルエチルケトン)エチレングリコールジエチレングリコールPM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)NMP(N-メチル2ピロリドン)ほか多数
対応可能な混合溶剤 各種脱脂洗浄剤、グリース洗浄剤、金型洗浄剤(離型剤除去剤)、印刷インク洗浄剤、インク洗浄剤、光造形3Dプリンタ向け洗浄剤、シルクスクリーン洗浄剤、接着剤洗浄剤、フラックス洗浄剤、ソルダーペースト洗浄剤など

※上記製品以外でも一度、ご相談ください。可能な限りご対応いたします。

そるぶ

弊社の中国現地法人のホームページはコチラだよ!

電子グレードの各種溶剤にも対応可能

以下の表の物質について、約30種の金属分析ができ純度99.0~99.95、パーティクル0.5~0.1μm対応可能です。

電子グレード対応物質一覧※「▼」をクリックすると表が開きます。
物質名 CAS番号
アセトン 67-64-1
メチルイソブチルケトン(MIBK) 108-10-1
N-メチルピロリドン(NMP) 872-50-4
シクロヘキサノン(アノン) 108-94-1
シクロペンタノン 120-92-3
プロピレングリコールメチルエーテル(DPM) 34590-94-8
プロピレングリコールメチルエーテルエステル(PMA) 108-65-6
メチルジグリコール 111-77-3
ブチルカルビトール 112-34-5
エチルカルビトール 111-90-0
3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP) 763-69-9
メトキシプロピオン酸メチル 3852-09-3
酢酸エチル 141-78-6
イソプロピルアルコール 67-63-0
モノエタノールアミン 141-43-5
ジエタノールアミン 111-42-2
トリエチルアミン 121-44-8
モノメチルホルムアミド 123-39-7
ジメチルアセトアミド(DMAC) 127-19-5
出荷の際の包装規格は以下の表の通りです。※「▼」をクリックすると表が開きます。
種類 容量
缶(高密度ポリエチレン) 1ガロン、10L、20L
ドラム(高密度ポリエチレン) 200L
IBC(高密度ポリエチレン、ステンレス) 500L、1000L
In BLUK(ステンレス) 10m3、25m3

有機溶剤などの化学品を中国で使いたいとお考えの方は、下記リンクから弊社までお問い合わせください。

お問い合わせバナー 詳しい内容やご質問・ご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください

CONTACT US

受発注に関するお問い合わせ・
その他のお問い合わせ

TEL 052-931-3111

製品に関する
お問い合わせ

TEL 052-931-3122

受付時間:平日8:30〜17:30