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化学規制
2025.01.30
化学品(有機溶剤、洗浄剤等)の中国輸出費用
中国へ化学品を輸出する際にかかる費用を、有機溶剤を含む洗浄剤の輸出を例に紹介します。
結論としては現地で日本と同じ物を製造した方が、手続きが簡単で、コストも安く済みます。
記事の後半で弊社が中国で対応できる製品について紹介しております。
中国への輸出方法全般については、別記事「化学品(有機溶剤、洗浄剤、剥離剤など)の中国への輸出方法」で紹介しておりますので併せてお読みください。
目次
中国への輸出手段は二つ
日本は四方を海に囲まれた島国ですので、中国を含む海外へ輸出するには飛行機(航空輸送)か船(海上輸送)のいずれかを利用する必要があります。
※トラックによる陸上輸送はできません
海上輸送と航空輸送のメリット・デメリットは以下の通りです。
輸送手段 | メリット | デメリット |
航空輸送 | 早く運べる | 少量ずつしか運べない 送料が高い |
海上輸送 | 一度の大量に運べる 送料が比較的安い |
運ぶのに時間がかかる |
価格に注目すると、一般的に航空輸送は高く、海上輸送は比較的安いです。
それぞれ詳しく見ていきます。
化学品の航空輸送にかかる費用
航空輸送は、早く運ぶことができますが、少量しか運べず、料金が高くなります。
例えば、以下の条件で弊社が有機溶剤を含む洗浄剤を航空輸送で中国に輸出しようとして、フォワーダーに見積もりを取った際の金額を見ていきます。
項目 | 具体的内容 |
商品 | 第1石油類の有機溶剤 (トルエン、アセトン、ヘキサン、シンナー、酢酸エチル等) |
数量 | 4L缶:160個 1L缶:60個 |
重量 | 約750kg |
発着地 | 中部国際空港→広州白雲国際空港 |
(※フォワーダーとは、とは、貨物利用運送事業者とも言い、自らは輸送手段を持たずに飛行機などを利用し荷主と直接契約して貨物輸送をする事業者のことです。複数の運送会社を利用することで、商品に最適な輸送手段で運ぶことができます。航空機の手配や専門性の高い輸送関係書類の作成、通関業務、梱包、空港での貨物の保管、配送業務を請負ってくれます)
金額は、総額で約100万円でした。内訳のうち主なものは以下の通りです。
項目 | 補足 | 金額 |
航空運賃 | 約60万円 | |
オーバーパック料金 | 複数の荷物を一つにまとめて梱包することにかかる料金※梱包はIATA危険物取扱者が実施します | 約20万円 |
燃油サーチャージ | 燃料価格の変動にわせて追加調整する料金 | 約7万円 |
ターミナル・チャージ | 空港ターミナルの使用料 | 約2万円 |
通関料金 | 約7000円 | |
エックス線検査料 | 約5000円 | |
その他 | 約10万円 |
※この見積もりはあくまで2022年時点のものです。現在はさらに高額である可能性があります。
化学品の海上輸送にかかる費用
海上輸送は、運ぶことに時間がかかりますが、大量に運べ、料金は飛行機に比べると安く抑えることができます。
詳しくは上記に別記事で説明していますが、海上輸送には、コンテナ1個を借り切るFCL(Full Container Load)と他の荷主の荷物と一緒のコンテナに混載するLCL(Less Than Container Load)の2種類があります。
一般的にコンテナ半分以上の荷物を運ぶ場合はFCLがお得で、半分未満の少量の場合はLCLの方が割安です。
輸送費用について、FCLとLCLそれぞれの見積もり結果を解説します。
FCL(貸し切り)で化学品を輸出する場合
弊社では、第2石油類に分類される有機溶剤を下記の条件のもと、FCLで中国に輸出する際の見積もりをフォワーダーに依頼しました。
項目 | 具体的内容 |
商品 | 第2石油類の有機溶剤 (ブタノール、DIBK、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、メチルセロソルブ等) |
数量 | 200kgドラム缶:80ドラム |
発着地 | 大阪港→上海港 |
金額は総額で約20万円でした。内訳は以下の通りです。
項目 | 補足 | 金額 |
輸出船積CY | コンテナヤードでの船積 | 約8万円 |
運賃 | 約5万円 | |
コンテナ輸送料神戸CY | 約3万円 | |
ラッシング料 | 荷物が崩れないようにするための固定や保護 | 約2万円 |
通関料 | 約6千円 | |
その他 | 約1万円 |
※この見積もりは2018年のものです。現在はより高額になっている恐れがあります。
LCL(混載)で化学品を輸出する場合
上記と同じフォワーダーに、同時にLCLでの見積もりも以下の条件で依頼しました。
項目 | 具体的内容 |
商品 | 第1石油類の有機溶剤 (トルエン、アセトン、ヘキサン、シンナー、酢酸エチル等) |
重量 | 1000kg以下 |
発着地 | 大阪港→上海港 |
見積書によると、総額で約10万円でした。
内訳は以下の通りです。
項目 | 補足 | 金額 |
危険物収納検査料 | 危険物が関連法令に適合していることを確認することにかかる料金 | 約3万円 |
運賃 | 約2万円 | |
輸出船積料金 | 約1万5千円 | |
船荷証券料 | 荷送り人と船会社が備品運送契約を結んだことの証明書の発行にかかる料金 | 約1万円 |
通関料 | 約1万円 | |
CFSチャージ | 混載にかかる料金 | 約7千円 |
その他 | 約8千円 |
※この見積もりは2022年のものです。現在はより高額になっている恐れがあります。
中国国内で製造した方がコストを抑えられる
ここまで見てきたように、日本から中国へ化学品を輸出しようとすると、大きなコストがかかります。
そのため弊社では中国広東省東莞市に製造拠点を設け、現地で製品を製造することで、日本から中国に送るよりも、製品を安価に供給できる体制を整えています。
※中国の国土面積は日本の約25倍と広大です。中国国内危険物の輸送は日本国内よりも高額なため、東莞市よりも距離がある場合は、日本から輸入した方が安くなる場合もあります。
同製造拠点では、一斗缶やドラムの荷姿の単体有機溶剤や洗浄剤、剥離剤、シンナー類を製造しています。
※界面活性剤や添加剤を添加するような作業はできないため、塗料や接着剤には対応しておりません。
具体的な費用については、ぜひ下記のお問い合わせリンクからお気軽にご相談ください。
下記の表は、弊社現地製造拠点の対応エリアと対応可能製品です。
項目 | 詳細 |
対応エリア | 広東省および福建省、広西チワン族自治区、上海市、浙江省、江西省、天津市、山東省、湖南省、湖北省、海南省、江蘇省、安徽省、河南省、四川省、重慶市、山西省、河北省、北京市、黒龍江省、遼寧省、吉林省(東北三省)、雲南省、貴州省、陝西省、甘粛省 ※一部配送できないエリアあり |
対応可能な単体溶剤 | トルエン、キシレン、MCH(メチルシクロヘキサン)、メタノール、無水エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK(メチルエチルケトン)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、NMP(N-メチル2ピロリドン)ほか多数 |
対応可能な混合溶剤 | 各種脱脂洗浄剤、グリース洗浄剤、金型洗浄剤(離型剤除去剤)、印刷インク洗浄剤、インク洗浄剤、光造形3Dプリンタ向け洗浄剤、シルクスクリーン洗浄剤、接着剤洗浄剤、フラックス洗浄剤、ソルダーペースト洗浄剤など |
※上記製品以外でも一度、ご相談ください。可能な限りご対応いたします。
そるぶ
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電子グレードの各種溶剤にも対応可能
以下の表の物質について、約30種の金属分析ができ、純度99.0~99.95、パーティクル0.5~0.1μm対応可能です。
電子グレード対応物質一覧※「▼」をクリックすると表が展開されます。
物質名 | CAS番号 |
アセトン | 67-64-1 |
メチルイソブチルケトン(MIBK) | 108-10-1 |
N-メチルピロリドン(NMP) | 872-50-4 |
シクロヘキサノン(アノン) | 108-94-1 |
シクロペンタノン | 120-92-3 |
プロピレングリコールメチルエーテル(DPM) | 34590-94-8 |
プロピレングリコールメチルエーテルエステル(PMA) | 108-65-6 |
メチルジグリコール | 111-77-3 |
ブチルカルビトール | 112-34-5 |
エチルカルビトール | 111-90-0 |
3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP) | 763-69-9 |
メトキシプロピオン酸メチル | 3852-09-3 |
酢酸エチル | 141-78-6 |
イソプロピルアルコール | 67-63-0 |
モノエタノールアミン | 141-43-5 |
ジエタノールアミン | 111-42-2 |
トリエチルアミン | 121-44-8 |
モノメチルホルムアミド | 123-39-7 |
ジメチルアセトアミド(DMAC) | 127-19-5 |
出荷の際の包装規格は以下の表の通りです。※「▼」をクリックすると表が展開されます。
種類 | 容量 |
缶(高密度ポリエチレン) | 1ガロン、10L、20L |
ドラム(高密度ポリエチレン) | 200L |
IBC(高密度ポリエチレン、ステンレス) | 500L、1000L |
In BLUK(ステンレス) | 10m3、25m3 |
有機溶剤などの化学品を中国で使いたいとお考えの方は、下記リンクから弊社までお問い合わせください。
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