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洗剤・溶解・剥離

2024.12.27

瞬間接着剤の剥がし方(剥がし液)について

瞬間接着剤の剥がし方(剥がし液)について

この記事では瞬間接着剤の基本的な内容と剥がし方(剥がし液)について解説します。
アセトン以外の剥がし液についてもご紹介します。

 

瞬間接着剤とは?

瞬間接着剤は水系接着剤や溶剤系接着剤と比較して、数秒~数十秒程度という短時間で接着効果を発揮する接着剤です。
例えば、ゴム糊等の溶剤系接着剤にでは主成分の樹脂を溶かしている溶剤が揮発することにより接着効果を発揮しますが、硬化するまでには数分~数時間かかります。

一般的にはシアノアクリレート主成分にしているものを瞬間接着剤と言い、空気中の水分とシアノアクリレートが反応することで重合反応を起こし、数秒で硬化します。
水分と反応して硬化することから湿気硬化型接着剤とも呼ばれます。

 

瞬間接着剤の種類

瞬間接着剤に使用されるシアノアクリレートも様々な種類があり、それぞれのシアノアクリレートの特徴を生かし、用途が変わります。

シアノアクリレートの種類

Cas No

特徴

エチル-2-シアノアクリレート

7085-85-0

最も汎用的に使用される瞬間接着剤の成分。
金属、ゴム、木材、プラスチックなど幅広い素材に対して強力な接着力を発揮する。

メチル-2-シアノアクリレート

137-05-3

エチル-2-シアノアクリレートより硬化速度が速く、より短時間での接着が可能だが、臭気や有害性、刺激性が高い。金属の接着に使用されることが多い。

n-ブチル-2-シアノアクリレート

6606-65-1

医療用接着剤に使用され、外科手術や皮膚の一時的な縫合に使用される。柔軟性は低いが、耐久性がある。

2-オクチル-2-シアノアクリレート

133978-15-1

医療用接着剤に使用され、外科手術や皮膚の一時的な縫合に使用される。n-ブチル-2-シアノアクリレートより刺激が少なく、柔軟性が高い。

メトキシエチル-2-シアノアクリレート

27816-23-5

耐湿性が高いため、高温多湿環境下でも安定した性能を発揮する。ガラスや金属の接着に適している。

アリル-2-シアノアクリレート

7473-98-5

耐熱性が高く、高温環境下での接着に適している。航空宇宙産業や工業用途で使用される。

シアノプロピル-2-シアノアクリレート

27816-07-5

柔軟性が高く、硬化後も振動や衝撃に強い。

ゴムや柔らかいプラスチックの接着に適している。

 

私たちが汎用的に使用している瞬間接着剤はエチル-2-シアノアクリレートを使用したものです。

アロンアルフアやロックタイトなどの名称で知られ、ホームセンターやネット通販等でも容易に手に入れることができます。
耐衝撃タイプや多用途タイプ、ゼリー状やジェル状などの瞬間接着剤も見られます。

 

瞬間接着剤の剥がし方

瞬間接着剤の剥がし液にはアセトンやメチレンクロライド(ジクロロメタン)が使用されることが多いです。
接着されたものをアセトンやメチレンクロライドに浸漬して、時間を置いてから剥がします。

金属やガラス等であれば、アセトンやメチレンクロライドに浸漬しても問題ありませんが、プラスチックやゴムの場合、アセトンやメチレンクロライドによって溶解・膨潤してしまう可能性があるため注意が必要です。

誤って手に付着してしまった場合にも、有機溶剤を手につけると、手が白くなる、ヒリヒリすることもあります。

 

接着剤を剥がすことができて便利ではありますが、アセトンやメチレンクロライドは有害性が高く、アセトンは有機溶剤中毒予防規則(有機則)、メチレンクロライド(ジクロロメタン)は特別化学物質障害予防規則(特化則)に該当しているため、有機則や特化則による規制を受けます。

有機溶剤中毒予防規則、特別化学物質障害予防規則については以下の記事を参照してください。

有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは?わかりやすく解説

特定化学物質障害予防規則(特化則)とは?対象の有機溶剤なども、わかりやすく解説

 

瞬間接着剤の剥がし液(アセトン、メチレンクロライド代替)

アセトンやメチレンクロライド(ジクロロメタン)の代替となる瞬間接着剤の剥がし液は以下のようなものがあります。以下の製品は全て有機則、特化則に非該当です。

各製品の詳細はリンク先の製品ページを確認してください。

洗浄剤名

消防法

特徴

ファインソルブE

第一石油類

汎用タイプ。剥離力は中程度。

レジーナMG

瞬間接着剤の剥離としては最も効果が高い代替品。

レジーナAC

ファインソルブEより剥離力が高い。

ファインソルブCY-P

第二石油類

第二石油類タイプの中では最も剥離力が高い。

レジーナDG

臭気が低く、添加剤としてアクリル樹脂を含まないものには効果的。

 

瞬間接着剤によって成分が異なるため、一概には言えませんが、概ね剥離力は以下のような性能になります。

第二石油類タイプの方が引火点が高いため、火災安全性は高いですが、第一石油類タイプと比べて剥離力が劣る傾向にあります。

 

第一石油類タイプの剥離剤

レジーナMG > レジーナAC > ファインソルブE 

第二石油類タイプの剥離剤

ファインソルブCY-P > レジーナDG

 

瞬間接着剤と代替洗浄剤の効果早見表

以下は市販の瞬間接着剤と代替洗浄剤の性能を数値化して示しています。

各製品の溶解・剥離力を5段階評価として、アセトンと比較した際の各製品の剥離力を数値化したものです。

実際には付着している状態や材質によっても結果は異なりますので、必ずテストを行ってください。

瞬間接着剤の名称

メーカー

アセトン

ファインソルブE

レジーナMG

レジーナAC

ファインソルブCY-P

レジーナDG

アロンアルファ 一般用

東亞合成

5

4

4

4

3

4

アロンアルファ ゼリー状

東亞合成

5

3

4

4

3

4

アロンアルファ 耐衝撃 EXTRA

東亞合成

5

3

4

5

3

3

アロンアルファ 速効多用途 EXTRA

東亞合成

5

3

4

3

4

3

3000ゴールド スリム

セメダイン

5

4

4

4

3

3

3000ゴールド 耐衝撃 スリム

セメダイン

5

4

4

5

4

3

3000ゴールド ゼリー状 スリム

セメダイン

5

4

4

4

4

2

Scotch 多用途 ジェルタイプ

スリーエム

4

2

4

3

2

2

Pritt 強力瞬間接着剤

プラス

5

3

4

3

3

2

 

瞬間接着剤の剥がし液(剥離剤)の選定にご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

 

瞬間接着剤の洗浄剤の実績

瞬間接着剤の洗浄剤の導入実績は以下でご紹介しております。

瞬間接着剤

瞬間接着剤(アロンアルフア)の洗浄

アセトンを使用して、アロンアルフアで接着したものを剥がしていたが、有機則非該当品へ切り替え検討。
ファインソルブEが採用になった。

瞬間接着剤 塗布

瞬間接着剤(ロックタイト)の洗浄

アセトンを使用して、ロックタイト製の瞬間接着剤で接着したものを剥がしていたが、有機則非該当品へ切り替え検討。
消防法対策と臭気低減ができる、レジーナDGが採用になった。

 

この製品に関するご質問・資料請求は以下からお問い合わせください。

 

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